基本ノウハウ
Googleアナリティクス4(GA4)がリリースされた当初は「直帰率」の指標がなくなりましたが、アップデートによって計測できるようになりました。ただ従来のUAにおける直帰率の定義と確認方法とは異なるため注意が必要です。
本記事ではGA4で直帰率を確認する方法やUAとの違い、直帰率が高い場合の改善策について詳しく解説します。
GA4の基本的な使い方については「【2024年版】Googleアナリティクス(GA4)の設定方法と基本的な使い方を初心者向けに解説!」をご参考ください。
GA4では、UAと異なり直帰率をデフォルトで表示していません。GA4で直帰率を表示させるためには、設定を変更する必要があります。次の2つの方法のいずれかで設定を変更すると良いでしょう。
標準レポートのカスタマイズ機能を使い指標を追加することで、直帰率を確認できます。
1.GA4の管理画面にログインし、左側のメニューから「レポート」>「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」を選択します。下図の(4)にある「レポートをカスタマイズ」をクリックします。
2.「レポートをカスタマイズ」から「指標」を選択します。
3.「指標を追加」ボタンをクリックし「直帰率」を選択します。「適用」ボタンをクリックします。
4.標準レポートに「直帰率」を追加できました。
GA4のデータ探索では、計測したい指標を自由に組み合わせてレポートを作成できます。データ探索を使用して、直帰率を確認する方法を紹介します。
1.GA4の管理画面にログインし、左側のメニューから「探索」を選択し「空白(新しいデータ探索を作成)」をクリックします。
2.「指標」の「+」ボタンをクリックし「セッション」>「直帰率」を選択します。「インポート」ボタンをクリックします。
3.指標に追加された「直帰率」を「値」の枠にドラッグアンドドロップで追加します。
4.レポートに直帰率が追加されました。
5.さらに、直帰率を確認したい指標を「ディメンション」から選択し追加することで、直帰率を計測できます。(下図では例として「ページタイトルとスクリーンクラス」をディメンションに追加した図を示しています。)
GA4における直帰率とは、エンゲージメントが発生しなかったセッションの割合です。
「エンゲージのあったセッション」とは次のいずれかの条件を満たす場合に、エンゲージのあったセッションとしてカウントされます。
「エンゲージのあったセッション数」を「すべてのセッション数」で割ったものをエンゲージメント率と呼び、その反対が離脱率です。
直帰率 = 100% − エンゲージメント率
直帰率は、Webサイトのコンテンツの質やユーザー体験の良し悪しを評価する上で重要な指標です。
エンゲージメントについて「[GA4]エンゲージメントの定義とは?指標と計算式、分析方法を解説【画像付き】」で詳しく解説しています。
従来のUAとGA4では、直帰率の定義が異なります。
UAではユーザーが1ページのみを閲覧してWebサイトを離脱した場合、直帰ユーザーとみなされました。
(UAにおける)直帰率 = 1ページのみのセッション数 ÷ すべてのセッション数
一方、GA4ではユーザーが1ページのみを閲覧してWebサイトを離脱した場合であっても、セッションが10秒以上継続したりコンバージョンイベントが発生したりすると、エンゲージメントがあった(=直帰ユーザーではない)とみなされます。
この違いは、「セッション軸」から「ユーザー軸」での計測へ移行したことを示しています。従来のUAより、ユーザーの行動をより詳細に分析できるようになったといえるでしょう。
またGA4では直帰ユーザーとみなす条件が複数あるため、UAと比べて直帰率が低くなる傾向にあります。GA4とUAでは直帰率の定義が異なるため、同じ期間や同じコンテンツであっても単純比較できないことにも注意が必要です。
直帰率を改善するためには、エンゲージメント率を高めることが重要です。エンゲージメント率向上のための方法について解説します。
GA4の直帰率が高い場合、コンテンツがユーザーのニーズを満たしていない可能性があります。直帰率が高いページを洗い出し、Webサイト運営の観点で優先度の高いものからコンテンツ内容を見直すと良いでしょう。
また新規コンテンツを作成する際には、ペルソナを設定し課題解決に役立つ情報を分かりやすく構成することが重要です。直感的に理解しやすい図や表、写真などのビジュアルコンテンツを用意することも有効です。
ユーザーがWebサイト内をスムーズに移動できるよう、読みやすいサイト構造を設計することも重要です。ナビゲーションメニューを分かりやすく整理し、ユーザーが次にどのページに進むべきかを迷わず判断できるような導線設計を行いましょう。
また内部リンクを効果的に配置することも、サイト全体の閲覧を促進し直帰率の低下につながります。GA4で得られるユーザーデータを活用し、どのページでユーザーが離脱しているかを分析することで、改善点を見つけやすくなります。
Webサイトのページ読み込み速度が遅い場合、ユーザーはすぐにサイトを離脱してしまいます。
画像や動画などのファイルサイズが大きいと、ページの読み込み速度が遅くなります。またCSSやJavaScriptなどのコードが最適化されていないと、ページの読み込み速度が遅くなります。ページ読み込み速度を改善するためにも、画像や動画ファイルを軽くし、CSSやJavaScriptなどのコードを最適化しましょう。
さらにキャッシュを利用することで、ページの読み込み速度を高速化することができます。
CTAを効果的に設置することで、ユーザーの行動を促進することができます。CTAを設置する際には、以下の点に注意しましょう。
GA4の直帰率は、ユーザーのWebサイトやアプリへの関心度を図り改善へつなげるためにも重要な指標です。定義やUAとの違い、計測方法の基本を押さえてエンゲージメント向上へつなげましょう。