お悩み回答
BtoBマーケティングのお悩みに回答する本企画。今回は、メール配信の際にリストを絞り込む方法について、BeMARKEでメール配信を担当する鈴木彩実がお答えします。
メールの配信対象を決めるポイント【お悩み】
メールの配信リストは、どの程度絞り込むべきでしょうか。
配信対象を広くしすぎると、メールの内容について関心を持っていないターゲット外の相手へも届き、配信停止につながりやすいのではないかと心配です。
また、一度に大量に送信すると、何かミスがあった場合に取り返しがつかないのではという不安もあります。
配信先の絞り込みの方法について、アドバイスをお願いします。
想定されているメールが、メルマガ(情報提供)と営業系のメール(サービス紹介、提案オファーなど)のどちらかによって考え方が異なります。
結論から言うと、
以上2点に基づく配信をおすすめします。
質問にある「メールの大量配信に不安を感じている」ケースに関しては以下の記事で解説していますので、参考にご覧ください。
すぐできるメルマガ配信ミスの対策や心構え【お悩み回答】
メルマガ(メールマガジン)施策では、配信リストの絞り込みは行わずに、なるべく多くの相手への配信を試みます。
メルマガであれば、クレームになりそうな相手(例:過去に配信停止の意思が示されていたり、トラブルがあったりした相手)を除き、基本的には配信リストの全員に送信して構いません。
ターゲット外の相手に届くことで、配信停止が増える可能性はあります。しかし、もともとターゲット外の方は顧客になりにくく、たとえメルマガ配信を避けたとしても、現状を維持するだけでプラスにはなりません。
配信対象がターゲット外であったとしても、社内にいるターゲットに話を広げてもらえる可能性は残るため、メルマガはなるべく多くの人に配信すべきです。例えば、「人事のお役立ち情報」のメルマガを営業社員に配信するのはターゲット外への配信といえますが、受け取った営業社員は、人事部門の社員に「こういう話があった」と情報を回してくれるかもしれません。
メルマガは、リストという資産を有効活用するための施策であり、その成果は開封率やリンクのクリック率などから判断することになります。メルマガを開封し、かつリンクを参照される確率は、良い場合でも「開封20% ✕ リンククリック10%」、つまり一度に配信したメルマガ数の2%程度です。1人にリンククリックをしてもらうためには、最低でも50件のメルマガを送る必要があります。
メルマガの準備のために要する時間を考えると、一定数の反応は成果として必要です。配信対象を絞り込むよりも、1人でも多くの相手に配信を行い、開封数やリンククリック数を伸ばせるようにしましょう。
営業系のメール配信では、配信リストを絞り込む方法が効果的です。
営業系メールであれば、内容に応じて送信対象を絞った方が良いでしょう。絞り込み方としては、営業活動の進展の度合いで分類する方法があります。
具体的には、「①これまでにアポを取ったことがない相手」「②過去にアポを取ったが受注につながらなかった相手」「③受注経験のある既存顧客」のような分け方です。以上のようにセグメントした上で、メールの内容に応じて配信対象のセグメントを選びます。営業担当者が個別に連絡するのか、マーケティング部門で一斉配信を行うのかは相談して進めましょう。
また、配信対象を決定する場合にも、営業部門とマーケティング部門のすり合わせが大切です。SFA/CRMに営業の接触ステータスや後追いの担当者についてもれなく記録できているなら、マーケティング部門はそれらのデータをもとに自らがフォローすべき配信対象を判断し、セグメントごとの配信リストを作成します。
そういった記録がない場合は、営業担当者に目視でリストを確認してもらい、個別にメールを送信すべきリストや、送信してはいけないリストなどを判断してもらうと良いでしょう。
「○○業界向けの情報提供」「大企業向け施策」のように、積極的にターゲットにアプローチするための施策である場合は、もちろんリストの絞り込みが必要です。
配信対象を絞り込み、ターゲットの配信リストを作成する手段としては、以下のような方法があります。自社で取れる手段を選択してください。
メールの配信リストを絞り込む方法について解説しました。メール配信は基本的にコストを低く抑えられる施策であるため、「配信対象を絞り込めない」ために足踏みしてしまうのは非常にもったいないことです。配信リストを積極的に活用することを前提に、他の営業担当者とも協力しながら適切な絞り込みを行っていきましょう。