基本ノウハウ
Webサイト分析を行う際には必ず登場するUU数、セッション数、PV数。しかしWebサイト分析をし始めたばかりの初心者にとっては、それぞれの定義の違いを理解しにくく、混乱してしまうことも多くあるでしょう。本資料では、迷わず理解できるよう図解と例示を用いて3用語の違いを解説します。
UUとはUnique User(ユニークユーザー)の略で、一定期間内にWebサイトに訪問した人の数を意味します。重要なのは実人数であり、のべ人数ではない点です。よって同じ人が何度も訪問している場合は、カウントされません。
定められた期間内でWebサイトに何回訪問があったかを意味します。重要なのは、期間内の「のべ来場者数」である点です。同じ人が何度も訪問した場合、それぞれ1セッションとして1回ずつカウントし合計で計算します。
1回の訪問を1回ずつカウントするとはいえ、では「1回の訪問」の定義とは何でしょうか。定義を確認していきましょう。
本記事で解説している内容は過去のGoogleアナリティクス(UA)の情報であり、最新版のGoogleアナリティクス4(GA4)ではセッションの定義が変更されています。詳しくは下記の記事内にある「UAから変更になった主要指標」を参照してください。
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同じページを30分以上表示し、かつ操作(クリックやスクロール)もしないで放置しておくと、30分ごとに一度セッションが切れ、次回の操作でまた新しく1セッションとして記録されます。 「30分間の無操作」が基準であるため、逆に一度サイトから離れてから30分以内に再度サイトに訪問した場合、同じセッションと見なされます。この点は感覚とずれるので注意が必要です。
サイト訪問中に日付が変わった場合、新しくセッションが記録されます。この原則は、30分の放置の原則より優先されるため、日付変更後30分以内に操作しても、1セッションが新しく始まります。
ケース1で、「一度サイトから離れてから30分以内に再度サイトに訪問した場合、同じセッションと見なされる」と説明しましたが、例外が存在します。それは、流入元が異なる場合です。例えば、一度目は検索エンジンから訪問し、15分後に広告から同じサイトに訪問した場合は、30分以内の訪問であっても別のセッションとして計測されます。
PV(ページビュー)とはWebサイトのページが見られた回数で、定められた期間内で何ページ見られたかを意味します。PV数は、同じ人が何回同じページを訪問しようとどんどん累積で加算されます。
UU・セッション数・PV数の比較を、具体的なケースを元に確認しましょう。 下の図のように、AさんBさんCさんの3名が1月にWebサイトを閲覧した場合の、1月1日から1月31日の各数値を見てみます。
Aさんは1月3日に3ページ、1月10日に2ページ閲覧しました。Bさんは1月15日に2ページ、1月20日に5ページ閲覧しました。Cさんは1月15日に1ページのみ閲覧しました。 この場合、の数値は以下の通りです。
UU数、セッション数、PV数のどれを特に注意すべきかを一概に決めることはできません。なぜなら、この3つの数字のそれぞれの比較によってWebサイト改善のための仮説を立てられるからです。
例えばセッションに比してUUが大きい場合は色々な人に見られているサイトである一方で、一度訪れた人の再訪問がなされていないといえます。よって、再訪問を促すようなリターゲティング広告やメールでのキャンペーンを行うと有効かもしれません。
セッション数に対してUUが小さい場合は、同じ人に何度も見られているサイトと判断できます。「常連客」はつかめているかもしれませんが、一方で新しい訪問者を獲得できていない可能性があります。新しい訪問者を獲得できるように、媒体への出稿やリスティング広告、SNS広告などで露出を増やすと良いかもしれません。
セッション数に対してPV数が大きい場合は、一度の訪問で何ページも閲覧されているサイトです。つまり、基本的にはどんどん色々なページを閲覧し続けたくなる非常に回遊性の高い、良いサイトといえます。もっと多くのセッションを獲得できれば比例してPV数も伸びる可能性があるので、メールやアプリでの通知による再訪促進や、露出強化を検討してみても良いでしょう。
セッション数に対してPV数が小さい場合、一度の訪問で少ししか閲覧されていないサイトです。関連する他コンテンツへの導線を用意するなど、サイト内部の改善が求められます。
Webサイトの数値状況把握のためにまず必ず知っておくべきUU数、セッション数、PV数について説明しました。これらは、意識せずとも自然に理解できるようにしたい数値です。それぞれの意味を理解できたら、ぜひご自身で管理しているWebサイトの数値を見て、現場の感覚を掴んでみてください。