インタビュー

ナイル青木氏にマーケターがSEOの悩みを相談!テーマ設定から制作体制、リライト術まで

ナイル青木氏にマーケターがSEOの悩みを相談!テーマ設定から制作体制、リライト術まで

SEOの知識はあっても成果につなげることは難しいと感じているBtoB企業のマーケターは少なくないでしょう。

前回記事ではBtoB企業がSEOに失敗しないための対策について、ナイル株式会社 青木創平氏に解説いただきました。今回はSEO実践編として、BeMARKEのマーケター・桂木圭介がSEOを実際に進めるなかで迷ったりつまずいたりするポイントについて青木氏に詳しくお聞きしました。

  • 青木 創平(あおき・そうへい) ナイル株式会社 DX&マーケティング事業 マーケティングユニット マーケター/インサイドセールス

    ナイル株式会社 DX&マーケティング事業 マーケティングユニット マーケター/インサイドセールス

    青木 創平(あおき・そうへい)

    Webコンサルタントとして大規模ECサイトから、BtoBサービスサイト等を経験。100ページを超えるSEOガイドライン執筆など技術的SEOへの造詣が深い。現在は社内マーケターとして、自社サイト運営を軸に、広告運用、メールマーケティング、ウェビナー企画・運営、YouTube出演、インサイドセールス業務など広く実施する。 著書「10倍はかどるSEOの進め方」「SEO初心者が知っておきたいGoogle機能の基礎知識」
    https://www.seohacks.net/

目次

Q.Webサイト立ち上げ時のSEOは、どのような優先順位で進めるべき?

ディレクトリ構造を定めWebサイトの土台を固めた後、コンテンツを拡充

ーー桂木:私たちは、2022年5月にBeMARKEを立ち上げて以来、SEOに注力してきました。

Webサイトの規模拡大にあたり、コンテンツのテーマ策定と制作体制の構築、Webサイトのドメインパワー向上、ディレクトリ構造などテクニカル領域の改善、という3つの対策を行ってきました。新規ドメインでWebサイトを立ち上げる際、これら3つの対策をどのような優先順位で進めるべきだと思いますか。

青木氏:新規Webサイト立ち上げのタイミングでは、はじめにディレクトリ構造を固めることに取り組むことが大事だと思います。サイト構造を定めると言い換えてもいいかもしれません。

サービスの拡大などでいつかディレクトリを変更しないといけないことはありますが、立ち上げたばかりのWebサイトで頻繁に変えるようなことは避けてほしいと思います。

運営計画や扱うテーマと照らし合わせながら当面のディレクトリ構造を確定させてください。

メディア運用であれば、カテゴリごとに区分けしWebサイトの構造を固めた後、コンテンツを拡充しながら、被リンク獲得に注力するという順番になります。

(左から)ナイル株式会社 青木創平氏、株式会社アジタス 桂木圭介
(左から)ナイル株式会社 青木創平氏、BeMARKE 桂木圭介

まずは、自社の得意領域をテーマにコンテンツ制作を進める

ーー数ヶ月、数年後のWebサイトの運営イメージや規模感、サービス展開を見据えた上で、ディレクトリ構造を決める必要があるということでしょうか。

そうですね。事業の目的から逆算しマイルストーンを定めた上で、ディレクトリ構造を決めていけると良いと思います。

その後、コンテンツのテーマや方向性を定めていくという流れですね。コンテンツのテーマは、自社サービス関連など自分たちが書きやすい内容からはじめるのもおすすめです。

自社が提供するサービスに関する内容であれば、「このサービスを売りたい」「このカテゴリに自社の強みがある」「この領域であれば専門性を持って語れる」という事業の主たる領域から攻めることができます。

得意分野であれば執筆しやすいなど楽に進められる点も良いですね。オリジナルの情報も交えやすいというメリットもあります。

Q.内製・外注を組み合わせて、コンテンツの質を上げるには?

制作前に内容のすり合わせを行うことが重要

ーーコンテンツ制作にあたっては、内製か外注かによって考え方や対応が変わると思っています。BeMARKEでは社内メンバーがSEO記事の基礎を固めつつ、外注ライターさんの力を借りて記事を量産していくという体制を取っていました。キーワードやテーマによっては専門性が必要とされる場合もあるため、クオリティコントロールが難しいと感じています。内製・外注を組み合わせて制作を進める場合、どのように管理するのが良いでしょうか。

クオリティコントロールするには、基本的にライターさんに任せきりにしないということが大切です。例えば外注ライターさんに記事制作を依頼する場合は、制作に入る前にしっかりと内容をすり合わせることが重要です。

私が外注ライターさんに記事制作を依頼していたときは、編集会議を定期的に開催していました。マーケティング関連の記事であれば、私がマーケターとして実践してきたことや経験から得られた知識などを、ライターさんへ繰り返し伝えていました。そこから記事に採用できるものがあれば取り入れてもらうというスタンスで制作を重ねるうちに、コンテンツの専門性も高まってきたんですね。

制作の前に、SEO担当者からライターさんへ必要な情報をしっかり伝えることでクオリティコントロールできると思います。

青木 創平(あおき・そうへい) ナイル株式会社 DX&マーケティング事業 マーケティングユニット マーケター/インサイドセールス

記事の専門性が自然と高まるようなフィードバックを

ーー記事に気になる点がある場合は、私や社内の営業担当者が直してしまうこともあります。そのような場合もライターさんとコミュニケーションを取ることが大切ということでしょうか。

社内メンバーが手を入れるとすぐに内容は良くなるのですが、根本解決につながらず同じ問題を繰り返すことになります。手間であっても毎回「こういう風に書いてください」と伝えることで、外注ライターさんに理解いただくことが大切です。少しずつライターさんの専門性も高まり、良い記事ができてくると思います。

制作前のインプットと、アウトプットに対するフィードバックを丁寧に根気よく続けることが結果的に最も効率的だと思います。

ーー編集会議はどのような形式で実施されていたのですか。ブレストに近い形か、キーワードをピックアップしてそれに対して具体的なフィードバックや指示を行う形か。

私が編集会議を行っていたときは、ライターさんに指定のキーワードで構成をつくってきてもらい、さらに専門性を高めるには何が必要かを話して決めていくという形で進めていました。

私がすべて決めて指示するような形だと、伝えたい内容がメインになってしまいユーザーの目線からずれてしまうリスクがあるため、ライターさんと一緒につくるように心がけていました。

ーー弊社では、ライターさんの構成案に対して書面でフィードバックした後そのまま記事制作してもらっていたため、一緒に進めていくという意識が足りなかったかもしれません。専門性の高い記事をつくるには、ライターさんのインプットの機会もつくったほうが良いということですね。

そうですね。ライターさんのインプットの機会を設けながら、理解を深めてもらうことを重視したほうが良いと思います。パートナーであるライターさんに理解いただいた上で書いてもらうことが、良い記事を制作するための重要なポイントです。

また同時に、自社のサービスを理解している人や高い専門性を持つ人に書いてもらうことにも注力できると良いですね。専門家を探し、書いてもらうための努力を惜しまないことも大切です。私もマーケティング関連のキーワードでは、専門性のある人に書いてもらっていました。

Q.リライトを成果につなげるにはどのように進めるべき?

コンバージョンが発生する記事からリライトを進める

ーー直近の課題は、ねらいたいキーワードを網羅できたフェーズで、リライトによって順位を上げたいものの記事によって成果にバラつきがあることです。順位が上がらない記事の原因も特定できていないことが悩みです。リライトで成果を出すにはどのような優先順位で進めるのが良いでしょうか。

リライトは、コンバージョンが発生する記事から進めていくと良いと思います。これは鉄則として守っていただきたいポイントですね。

なぜなら、コンバージョンしない記事にセッションを集めても仕方ないからです。

セッションが多い記事はそれだけニーズもありユーザーの役に立っているともいえます。しかしマーケターとして成果にコミットするためには、やはりコンバージョンする記事からリライトすることにこだわるのが大切です。

そのなかで、どう頑張ってもコンバージョンしないという場合は、その記事のコンバージョンのポイントを変えてみましょう

例えば、資料のダウンロードやお問い合わせフォーム経由のコンバージョンが難しいのであれば、ウェビナー参加、それも難しいのであればメールマガジンの登録やXのフォロー、というように徐々に難易度を下げてコンバージョンポイントを設定すると良いと思います。

それでもコンバージョンしない記事は、リライトをやめるというのもひとつの選択です。場合によってはクローズすることも視野に入れても良いかもしれません。

まったくコンバージョンの可能性がない記事は、最終的にリライトの優先度が下がってしまい、内容が古くなる恐れがあるからです。そういった記事は、Webサイト全体の評価を下げ、長期的にはマイナスに働く可能性があります。

ーーリライトによって順位を上げることに躍起になる前に、そもそもコンバージョンするかという観点で精査し、場合によってはCTAを改善することが重要ということですね。

はい。おそらくリライトによって記事の順位を上げるということに関しては、やりきっていると思いますので、逆に要素を削ったり順番を変えたりする作業が重要になってくると思います。

あるクエリに対して記事内でどのような順番でコンテンツを展開すれば、ユーザーは知りたい情報に早くたどり着けるのか。そのような観点で記事を見直してみるのも大切ですね。

さらに、この情報を知りたいというユーザーであれば画像で説明したほうが伝わりやすいのではないかという、別の角度からの改善もできるかもしれません。

リライトで成果を出すには引き算と足し算をうまく行う、要素の順番を見直す、ということも試していただけると良いと思います。

(左から)ナイル株式会社 青木創平氏、株式会社アジタス 桂木圭介

ヒートマップを参考に仮説を立て改善していく

ーー足し算はできていたのですが、引き算は情報の取捨選択が難しくあまり積極的にできていませんでした。ユーザーにとってどの情報が優先度が高いか、もしくは低いかをどのように判断されているのでしょうか。

確かに自分の仮説だけで引き算をするのはリスクが高いですよね。そういう場合は、ヒートマップを参考にするのがおすすめです。

例えばヒートマップを見て目次のなかで赤くなっている箇所に注目し、ユーザーが最も必要とする情報はここではないかと仮説を立ててみる。または、まったく見られていない箇所やスクロールで飛ばされている箇所は不要なのではないかと仮説を立て、対策していくということもできるでしょう。見られていなくても内容的に必要であれば残しつつ、ユーザーのニーズに合わせた構成に修正するという方法もあります。

SEOは全体最適で進める

SEOは「全体最適」の視点で各施策を進めることが重要です。

コンテンツの拡充に取り組みながらも、同時にドメインランクを上げる努力も惜しまず続けていく必要があります。

最近のGoogleの評価の観点では、無名な人の発言より知名度のある人、会社の発言を評価するという動きが顕著です。コアアップデートにも注目しつつ、ユーザーニーズを把握するためにヒートマップなどを活用していくことも大切です。

記事の専門性を高めながら、それをGoogle検索で効果的に伝えていくということを今後も意識し進めていかれると良いと思います。

ーーありがとうございました!

【聞き手】桂木圭介

「10倍はかどるSEOの進め方」技術評論社 青木 創平(著)

「10倍はかどるSEOの進め方」技術評論社 青木 創平(著)

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この記事を書いた人

鈴木 舞
鈴木 舞 | BeMARKE編集長

BeMARKE編集長。これまで15年以上Webメディア運営・コンテンツ制作に携わる。前職では美容系Webメディア編集長としてサイト規模を2年で28倍の2,800万PVに成長させる。2022年より現職。BeMARKEのコンテンツ編集・制作方針や計画の策定、取材・執筆などを担当。

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