基本ノウハウ
「ホワイトペーパーを作成するために参考にできるテンプレートが欲しい」「ホワイトペーパーの具体的な作成方法を知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、ホワイトペーパーのテンプレートとしてもよく使われる基本的な構成と、ホワイトペーパーの種類ごとの構成例、作成手順について解説します。
またホワイトペーパー作成に役立つ2種類のテンプレート(PowerPoint形式)も用意しました。ぜひご活用ください!
BeMARKEでは、汎用的なホワイトペーパーのテンプレートと、ホワイトペーパーの企画に利用できるテンプレートを下記リンク先からダウンロード可能です。
【ダウンロード】シンプルだから使いやすい! ホワイトペーパーテンプレート
【ダウンロード】ワンポイントアドバイスつき!ホワイトペーパー企画書テンプレート
ホワイトペーパーの目的や役割、活用方法については「ホワイトペーパーとは?目的・テーマ・制作手順を解説」をご参考ください。
一般的なホワイトペーパーは基本的に下記のような5つの要素で構成され、扱うテーマに応じて内容を変化させます。
【1】表紙 | 誰に何を伝える内容かを明確にし、有益な資料であることを伝える。 |
【2】前書き(概要) | 本題の前に資料の目的を伝え、読むことでどのようなメリットがあるのかを伝える。 |
【3】目次 | 目次で資料の全体像を伝える。※ページ数によっては省略する。 |
【4】本題 | 「課題解決」「事例紹介」など、訴求する商品やサービスに合った形態を選び解説する。 |
【5】会社概要・サービス紹介 | 本題を読んで魅力を知ったユーザーを見込み顧客に変えられるよう、企業の情報や次のアクションを促す情報を記載する。 |
ただし、ユーザーにとって価値ある内容を分かりやすく提供できているのであれば、この基本構成にこだわる必要はありません。ホワイトペーパーは横書き・縦書きなどの様式に決まりがなく、デザイナーが手掛けたデザイン性の高いホワイトペーパーもあれば、パワーポイントやWordを利用して作られたシンプルなホワイトペーパーもあります。
前述した通り、ホワイトペーパーの構成は企業によって自由に設定して構いませんが、作成予定のホワイトペーパーの構成が思いつかないという方もいるでしょう。本章では、ホワイトペーパーの種類別の構成例と内容のポイントを解説します。
自社がどのようなホワイトペーパーを制作するかが決まっていない場合は、見込み顧客のどこの態度変容を促したいのかによって選択すると良いでしょう。
ノウハウを伝えるホワイトペーパーは、見込み顧客の小さな課題解決のために役立つ具体的なノウハウを提供します。ニーズを自覚していない潜在顧客に幅広くアプローチしたい場合に特に有効です。ホワイトペーパーを通して潜在顧客が日頃の課題に対する気づき・解決策を得られれば、自社の専門性への信頼度を高められるだけでなく、自社製品・サービスにまつわる新しいニーズを発生させられるかもしれません。
ノウハウを伝えるホワイトペーパーでは、課題や状況に合った手法の選択が大事であると実感してもらうことが重要です。「ノウハウさえ学べば自社でもやれる」と感じてもらえる資料を作成しましょう。
構成要素 | 内容のポイント |
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表紙 | タイトルはこのホワイトペーパーを読んで何ができるようになるのかを分かりやすく示す。 BeMARKEの例: 「改善サイクルから成果を生み出す|メルマガ分析はじめの一歩」 |
問題提起 | 「メルマガをただ送るだけになっていませんか?」など主題に関する問題提起を行う。 |
解決策の提案 | 「メールマガジンを分析する手順」「見るべき指標について」などのノウハウを解説する。 |
まとめ | 本文で解説した内容を1ページで簡潔にまとめる。 |
会社概要 | 会社ホームページのURL、電話番号、問い合わせフォームへのリンクなどを設置して興味を持った見込み顧客のアクションを促せる内容にする。 |
調査レポート系のホワイトペーパーは、自社で独自に調査した内容をまとめた資料です。例として以下のような種類があります。
ノウハウ系のホワイトペーパー同様、ニーズを自覚していない潜在顧客との接触に有効です。業界の最新情報を手軽に確認できる調査レポート系のホワイトペーパーは、潜在顧客の中でもその分野への関心が高い層がダウンロードすると考えられます。汎用的なノウハウ資料と同様、相手の関心の方向性を見定めやすい点もメリットです。
構成要素 | 内容のポイント |
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表紙 | タイトルはこのホワイトペーパーで何が分かるのかを端的に示す。 例:「メルマガ分析調査レポート(2023年)」 |
調査の概要 | 何のための調査か・調査の方法・調査対象などを示す。 |
調査結果 | 図表やグラフを用いて分かりやすく結果を伝える。 |
まとめ | 本文で解説した内容を1ページで簡潔にまとめる。 |
会社概要 | 会社ホームページのURL、電話番号、問い合わせフォームへのリンクなどを設置して興味を持った見込み顧客のアクションを促せる内容にする。 |
書式・テンプレート系のホワイトペーパーは、見込み顧客がそのまま実務や作業で利用できる雛形などを提供します。
書式・テンプレートのホワイトペーパーでは、見込み顧客がすぐに使えることが重要なため、問題提起や解決策の提示といった余計な前置きは不要です。汎用性の高いテンプレートであれば広範囲のリード獲得の手段として有効であるほか、書式の内容によってもユーザーの業務や抱えている課題を推測できます。例えば「メルマガテンプレート」がダウンロードされたなら、ユーザーはメルマガ業務の担当者であり、メルマガの効率化に課題を抱えていると推測できるのです。
構成要素 | 内容のポイント |
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表紙 | タイトルは何の書式・テンプレートかを簡潔に示す。 BeMARKEの例:「採用率が上がる!提案書テンプレート】書き方アドバイス付き」 |
書式・テンプレート | テーマに応じた内容の書式・テンプレート 使用方法が分かりづらいテンプレートの場合は記入例も添える。 |
入門ガイド・初心者向けガイドブックなどのホワイトペーパーは、初心者が新しい知識や情報を学ぶための資料として提供します。特定の分野に関する初心者向けガイドや、新商品を導入した際に参考にできるユーザーマニュアルなどをPDF形式で提供する形が一般的です。
初心者が疑問を抱きやすい点についてQ&Aでまとめる、初心者がつまずきやすいポイントを図解や写真を使って説明するなどしてユーザーの理解を促します。
入門ガイド系は、商品購入に前向きなユーザーも検討材料として積極的に目を通す傾向にあるため、専門用語などを分かりやすい言葉で説明するといった工夫が求められます。
構成要素 | 内容のポイント |
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表紙 | タイトルは何の入門ガイドかを分かりやすく示す。 BeMARKEの例:「はじめてのウェビナー設計 TOTAL GUIDE BOOK」 |
ガイド内容 | 取り上げたテーマの前提となる基礎知識・実践の手順を図解する。 |
会社概要 | 会社ホームページのURL、電話番号、問い合わせフォームへのリンクなどを設置して興味を持った見込み顧客のアクションを促せる内容にする。 |
導入事例系のホワイトペーパーは、自社製品・サービスの導入によって課題を解決した、または売上アップを成し遂げた企業の成功事例を紹介します。
導入事例は、実際に導入した上で成果が出ているケースを紹介するため、自社製品・サービスの導入を検討している企業に対し非常に強い訴求力を発揮します。製品の本格的な導入まではまだ考えていない情報収集の段階の企業においても、企業が持つ課題感や条件と近い事例を示せば後押しになるでしょう。
製品・サービスを導入して成果を出している企業にインタビューを依頼し、ユーザー目線から「導入して良かった点」も聞いてみましょう。
構成要素 | 内容のポイント |
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表紙 | タイトルは何の事例かを分かりやすく示す。 例:「リード獲得数を大幅アップ ◯◯導入事例集」 |
導入企業の詳細 | 導入企業の業界・業種・規模・扱っている製品やサービスなどを紹介する。 |
導入前の課題 | 導入企業が解決したいと考えていた課題を示す。 |
導入後に改善されたこと | 導入によってどのように課題が改善されたか数値もあわせて具体的に解説する。 |
今後の展望 | 導入企業の今後の目標・未来像を解説する。 |
会社概要 | 会社ホームページのURL、電話番号、問い合わせフォームへのリンクなどを設置して興味を持った見込み顧客のアクションを促せる内容にする。 |
最新トレンド系のホワイトペーパーは、業界のトレンドや製品の最新情報などをまとめた資料です。自社製品・サービスの導入がトレンドに合致していることをユーザーにアピールできます。トレンドを知りたいと考えているユーザーからは「最先端の情報を発信している企業」として自社の専門性を評価されやすくなります。
いちはやくトレンドを知りたいユーザーがダウンロードする資料のため、内容が正確でなければ信用を損ねます。制作時は官公庁や各製品のベンダーサイトなど信頼の置けるデータに基づき、制作者の主観が混じらないよう注意しましょう。
トレンド系の資料は、見込み顧客の業界・競合が関係するトレンドと、自社製品・サービスの有用性を絡めて訴求するとより効果を発揮するでしょう。
構成要素 | 内容のポイント |
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表紙 | タイトルは何のトレンドを扱っているのかを分かりやすく示す。 例:「2023年最新版|BtoB向けMAのカオスマップ」 |
トレンド解説 | ユーザーの傾向・伸び傾向の分野・製品のジャンル別のシェア率などテーマに沿った内容を解説する。 |
まとめ | 解説したトレンドに絡めて自社製品・サービスの存在を示す。 |
会社概要 | 会社ホームページのURL、電話番号、問い合わせフォームへのリンクなどを設置して興味を持った見込み顧客のアクションを促せる内容にする。 |
サービス比較系のホワイトペーパーとは、他社も含めた製品・サービスの費用や機能、サポートなどを客観的に比較した資料です。自社製品・サービスを競合他社と比較することで、優れている部分や劣っている部分が明確になります。自社製品・サービスの導入を検討している企業にとって役立つ資料になるでしょう。
自社の強みばかりでなく競合他社も含め解説しているユーザーの利便性を重視した資料は、自社への信頼度を高めることにもつながります。
構成要素 | 内容のポイント |
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表紙 | 何を・いくつ比較しているのかを端的に示す。 BeMARKEの例:「メール配信システム徹底比較20選【無料情報8社付き】」 |
比較シート | 製品・サービスのメリットとデメリットを自社と競合他社で公平に紹介する。 |
会社概要 | 会社ホームページのURL、電話番号、問い合わせフォームへのリンクなどを設置して興味を持った見込み顧客のアクションを促せる内容にする。 |
ホワイトペーパーの作成は、以下の手順で行います。
ホワイトペーパーを作成するときは、まず目的を決めます。具体的には、ホワイトペーパーの制作によって何を達成したいのかを明確にしましょう。どのような目的かによって、制作を優先したいホワイトペーパーの種類も変わってくるからです。
設定する目的の例としては、下記があります。
ターゲットを決めれば、ホワイトペーパーを作るときに使うべき表現や方向性などが明確になります。STP分析などのフレームワークを利用し、ターゲットを定めましょう。
ターゲットを明確にしたら次はペルソナ設定です。ペルソナは自社製品・サービスを利用する代表的な顧客イメージのことで、ユーザーの行動やニーズを掘り下げる上で役に立ちます。ペルソナの設定方法については「ペルソナの作り方とは?BtoCとBtoBマーケティングの違いまで徹底解説【無料設定シートダウンロード】」の記事で解説しているため、参考にしてください。
ターゲット・ペルソナの設定時に、ユーザーがホワイトペーパーを読んだ後にどのような状態になって欲しいのかもあわせて明確にします。
顧客の状態 | 理想的な顧客の変化 |
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潜在期 | 課題に気づく/解決策の分野や製品・サービスに興味を持つ |
興味関心期 | 解決策となる分野や製品・サービスの概要を理解する |
情報収集期 | 解決策となる分野や製品・サービスの具体的な利用イメージを持つ |
比較・検討期 | 各製品・サービスの内容を比較検討して導入を決定する |
ホワイトペーパーは置いておけば無条件にダウンロードされるわけではく、ターゲットユーザーの目に届く形で露出する必要があるため、タッチポイント(接点)づくりが重要です。ターゲットがどの顧客タイプかに応じてタッチポイントを決め、設置の様式や活用場面なども含めてあらかじめ計画しておきましょう。
顧客の状態 | タッチポイント(接点)の例 |
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潜在期 | ・オウンドメディア ・サテライトサイト ・コーポレートサイト ・SNS ・Web広告 |
興味関心期 | ・サービスサイト/ランディングページ(LP) ・ホワイトペーパー配布サイト ・Web広告 |
情報収集期 | ・サービスサイト ・メール・DM ・Web広告 ・営業訪問時の持参資料 |
比較・検討期 | ・サービスサイト ・メール・DM ・営業訪問時の持参資料 |
ホワイトペーパーをどのような目的で・誰に・どういった方法で届けるかを決めたら、ホワイトペーパーで扱うテーマを固め、その種類に沿った構成内容を具体的に決めていきましょう。
例えば、製品の導入を前向きに検討しているユーザーを後押しする目的で、機能紹介ページからダウンロードしてもらうホワイトペーパーの作成を計画したとします。今回の例では、成功事例の提供が効果的であると考え、「導入企業3社の成功事例」というテーマを設定します。
テーマを決めたら、ホワイトペーパーの章立てをどうするか、各ページに何をどのように記載するか、画像の配分はどうするかなどのイメージを書き起こし、全体の構成を組み立てましょう。構成ができあがったら文章や画像を配置し、見栄えの良いデザインに整えるのです。
ホワイトペーパーの企画書づくりに活用できるテンプレートは、下記リンクからダウンロードできます。
【ダウンロード】ワンポイントアドバイスつき!ホワイトペーパー企画書テンプレート
ホワイトペーパーのほとんどはダウンロードする形で提供されるため、ユーザーはダウンロードするまで内容を把握できません。ダウンロードする価値があるかどうかは、タイトルやアイキャッチ画像で判断することになります。そのため、ホワイトペーパーにとってタイトルは非常に重要です。ユーザーの目に留まり、ダウンロードしたくなるようなタイトルを考えましょう。
ホワイトペーパーは基本的に表紙、資料の背景、目次、本題、会社概要といった内容で構成されます。しかし、すべてのホワイトペーパーをこの構成で作成するわけではなく、ターゲットやペルソナ、作成の目的によって内容を変え使い分けると良いでしょう。
見込み顧客と継続的な関係を構築したいBtoB企業にとって、ホワイトペーパーは非常に便利なツールです。本記事で紹介したホワイトペーパーの種類や作成手順を参考に、テンプレートも利用しながらホワイトペーパーを作成してみましょう。