インタビュー

ユニークなプロジェクト型組織でSaaS市場に勝負をかける|IVRy 工藤氏に聞く、売れる組織づくり

ユニークなプロジェクト型組織でSaaS市場に勝負をかける|IVRy 工藤氏に聞く、売れる組織づくり

THE MODEL型の分業化が進む組織では、部門間の「分断」がボトルネックとなり事業成長を鈍化させている場合があります。組織運営のボトルネックを見つけ解消し「売れる組織」を構築している企業は、どのような取り組みを行っているのか。

本企画では株式会社immedio 浜田英揮氏が聞き手となり「売れる組織」づくりに挑む企業へ取材を行いその取り組みをご紹介します。

今回は株式会社IVRy(アイブリー)の工藤慧亮氏をお迎えし、注目のプロジェクト型組織運営のリアルや、SaaSの成長を加速するのに欠かせないSales Opsの役割などについてお話しを伺いました。

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  • 株式会社IVRy Inside Sales Manager/Sales Operations 工藤 慧亮(くどう・けいすけ)

    株式会社IVRy Inside Sales Manager/Sales Operations

    工藤 慧亮(くどう・けいすけ)

    大手金融機関のコンサルティング営業からキャリアをスタート。freeeにてインサイドセールスを中心にSaaSの世界にジョイン。 SmartHRにてインサイドセールス組織の立ち上げ、セールスチーム全体の組織開発(オペレーション・イネーブルメント・企画)に従事。IVRyではインサイドセールスマネージャー、セールスオペレーションを担当。個人では10develops代表としてGo to Marketのコンサルティング・オペレーション支援に従事。

目次

プロジェクトごとにチーム編成を行う「プロジェクト型組織」

職能ごとに“サークル化”した柔軟なチーム

ーー浜田氏:まずは工藤さんの現在の仕事についてお聞きしたいです。

工藤氏:IVRyでは主に2つの役割を担っています。1つ目は、インサイドセールスの成果最大化のためのチームづくりとマネジメント。2つ目はセールスオペレーション(SalesOps)です。営業企画から推進、仕組み作りなどを行っています。

IVRyはいわゆる縦型組織の事業部制を撤廃し、プロジェクト型組織を採用しています。

例えば1人のメンバーが複数のプロジェクトに関わりながら、あるプロジェクトではオーナーを担当するというように、プロジェクト単位でチームが編成されるのが特長です。

私自身もSales Opsプロジェクトのメンバーであり、同時にインサイドセールスプロジェクトのオーナーも担っています。

株式会社IVRy Inside Sales Manager/Sales Operations 工藤 慧亮氏

ーープロジェクトとは別に、「インサイドセールス」や「セールス」という職能ごとのチームが存在するということでしょうか。

はい。私たちは職能ごとの集合体を「サークル」と呼んでいます。

サークルの図

図のようにインサイドセールスやセールス、エンジニアという一般的にはいち組織として存在するところを、IVRyでは職能としてのみ括っています。

あくまでも主体となるのはプロジェクトです。プロジェクトオーナーはメンバーを評価・育成しないという区分けをしています。評価・育成のコミットはサークルオーナーのメインミッションです。

ーー職能ごとの軸はありながら、プロジェクト単位で動ける柔軟性もあわせ持った組織ということですね。一方で、プロジェクトごとのOKRの定義やマネジメントが大変そうです。

プロジェクトのマネジメントには一定の工数がかかりますが、前職・前々職でマネジメントの経験が豊富なメンバーの活躍によってまわすことができています。

マーケティングとインサイドセールスが一体となり商談獲得にコミット

ーーインサイドセールスとマーケティングの関係はどのようになっていますか。

マーケティングプロジェクトがありその配下にインサイドセールスを置いています。マーケティングとインサイドセールスが一体となり商談獲得にコミットするという形です。

マーケティングプロジェクトのOKR成果指標にも商談獲得数を設定しています。

ーーインサイドセールスのなかにアウトバウンドチームも含まれるのでしょうか。

そうですね。そこは今まさに試行錯誤を重ねているところです。

会社としてこれまではSMB中心の戦略設計だったのですが、これからはミッドマーケット、エンタープライズ開拓に注力していきます。そのため、インサイドセールス組織のなかにはSMBのSDR担当もいれば、エンタープライズのBDR担当もいるという形です。

2024年以降は、The MODEL型体制にとらわれずにプロジェクト単位での最適な配置ができればと思っています。

ーーこの担当はどちらの組織に所属するかということではなく、プロジェクトの目的に合わせてメンバーをアサインしていくということですね。

はい。SMBからエンタープライズまで効果的なアプローチを行うためにも、SMBはマーケティングと一緒にSDR的に動き、エンタープライズはセールスとBDR的に動く、というようにプロジェクトごとの組成になっていくと思います。

プロジェクト型組織における営業・マーケティング連携のポイント

ーーIVRyの組織のなかで営業とマーケティングはどのように位置づけられているのですか。

こちらは全体プロジェクト体制図です。

プロジェクト体制図

ーー各プロジェクトに適した職能ごとに分かれているのですね。50〜60名の組織でこれだけのプロジェクトを動かすには兼務するメンバーも多そうです。

マーケティング担当者は5名なので兼務しているメンバーが多いですね。

コミット力と視野を同時に広げる方法

ーー兼務するメンバーが多いと営業・マーケティング間のコンフリクトは起きづらいのかと想像しますが、いかがですか。

プロジェクト型組織であってもコンフリクトは起きると思います。直近ではマーケティングが商談獲得までKPI上コミットできていなかったことや、インサイドセールスとの目標数値の握りが曖昧だったというチーム間連携の問題がありました。

そこで次のクォーターからはマーケティングとインサイドセールスを一体化させ、マーケティングとしても商談獲得にコミットする体制を作りました。

プロジェクト制にすると目標に対するコミット力は高まるのですが、その分、一人ひとりの視野が狭まるリスクはあります。プロジェクト兼務者は全体の動きを把握しやすいものの、1つのプロジェクト専任だと全体は見えない。

解決策としては、メンバーが複数のプロジェクトに関われる仕組みを作ったり、親プロジェクトのマネージャーはプロジェクト間の情報共有を強化する、という方法を取っています。先述のサークルオーナーと連携して情報の粒度を揃えることもありますね。

ーーやはりプロジェクト全体を見て統括する役職が必要なのでしょうか。

そうですね。プロジェクトメンバーによる意見の偏りや隔たりを回避するためにも、プロジェクトオーナーがフラットかつバランスよく采配できる判断軸を持つことも必要です。

それでもバランスが取れない場合は、必要に応じて新たなプロジェクトを立ち上げるか別プロジェクトとして切り出すという感じですね。

緻密な組織デザインと徹底した仮説検証サイクルが強み

プロジェクト立ち上げの判断が重要

ーー個々のプロジェクト立ち上げの判断が、非常に重要になってきますね。誰がどのように見て判断されているのでしょうか。

代表の奥西が組織全体のデザインをしていて、その上で各リーダーが考えるという形です。

各プロジェクトには親プロジェクトを置いており上に集約しマネジメントしています。プロジェクト内容や組織については最も思考を巡らせてますね。

徹底したテストマーケティングで事業をスケールさせる

IVRyではセールスやマーケティングの上位概念として“Scale”という組織を置いています。事業の理想状態を「10」としたときに“BizDev・PoC”が「0→3」フェーズの種を作り売れそうなところまで持ってくる。それも事業計画を作った上で仮設検証し、テストマーケティング、テストセールスを重ねていきます。

エコスキームのイメージ

そして、“PMF”組織が「3→10」フェーズでさらにプレマーケティング・セールスを行い、この事業が第2・第3の柱として伸びるのか検証します。「10」まで仮説検証を繰り返し、Scaleのオペレーションに乗るところまで持っていく。PMFしたらスケールに持ってきて既存のオペレーションにはめて、という流れの組織デザインにしています。

大企業の新規事業立ち上げからPMFまでの流れとしては当然のプロセスではありますが、スタートアップでこのプロセスを徹底していることは、組織としての強みになっていると思います。

プロジェクト型組織の難しさ

ーープロジェクト型組織を運営されているなかで、どのような点に難しさを感じますか。

大前提として、従来の縦型組織構造とは異なるため、運用が大変です。しかしながら、従来の組織設計で構造的に起きてしまう問題を抱えるほうが、本質的な問題に対応できないのが世の常であり、歴史が証明してきたことだと思います。

有機的に変化できる構造を保つために、運用自体を軽くして徹底的にやらないことはやらないと決めています。

プロジェクト数が増えるにつれ、困ったことがあってもどこに質問や相談を投げれば良いか不明確なことが難点になりがちです。

アラートを出しやすくするため、プロジェクトのレポートライン上に共有フォーマットをつくり、全体で議論するという流れを整える必要があると思っています。

そのため、採用や情シス・セキュリティなどの組織はプロジェクトとは別に切り出してプラットフォームとして相談先をプロジェクトの増減にこだわらず、整備しています。

現在の50〜60名の組織ではまだアラートを出しやすいものの、組織規模が大きくなるほど一つひとつの課題感を可視化し共有するのが難しくなるため、早めに解決したいですね。

またプロジェクト数に対してリソースが足りないというスタートアップならではの問題もあります。リソースが足りない分は、マネージャーが複数のプロジェクトを兼務することでカバーしていましたが大変でした。兼務の難しさを実感してからは、基本的には各プロジェクトに専任する方針に変更になりました。

ーーミドルクラスの優秀なマネージャーが揃っているとはいえ、それでも絶対数は足りないのではないですか。

そうですね。組織におけるリソース確保は常に課題だと思いますが、今のIVRyにはミドルレイヤー以上のマネージャーが多くて、うまくまわりやすい土壌があります。また、このプロジェクト型の構造の方ががうまくいきそう! と理解して入ってくる人が多いので、むしろ組織に対して一定の思考や成功・失敗経験をしているメンバーも多く、非常にうまく成立しています。

プロジェクトオーナーを兼務してみて分かったのは、意外と、組織全体としてはスピードが落ちるということですね。選択と集中をやりきれないというのが主な要因です。社員が150〜200名に増え業務移譲できる体制が整えば、またプロジェクトオーナーを兼務できる可能性もあります。

またサークルオーナーを担える人材を増やすことで、他のプロジェクトにアドバイザーに入るという体制もできつつあり、組織の可能性を模索しています。

SaaSの成長率を高めるOpsの重要性

Sales Opsのスコープは「全社」

ーー工藤さんが担当されているSales OpsプロジェクトのOKRを教えてください。

まずはデータベースの整備を最優先に行っています。CRMやSFAにある顧客情報を整理し状況を可視化するといった基礎を作っています。Salesforceの導入も進めています。

またミッドマーケットとエンタープライズ企業向けの営業を強化するにあたり、マネジメントの理想状態を言語化し認識合わせを行うということも重要な目標です。

他にも経営企画的な立場で数年後を見据えた仕組み作りも担っています。

株式会社IVRy Inside Sales Manager/Sales Operations 工藤 慧亮 氏

ーー担当範囲が広いのですね。

IVRyのSales Opsのスコープは全社であると決めています。

OKR設定にあたっては、全社におけるOpsチームのミッションと役割を明確にすることを意識し10年後のイメージと人員計画まで描いています。もうそろそろSales Opsという名称もRev Opsに変更しないといけないかもしれないですね。

Opsに注力している日本企業はまだ少ない

ーーOpsを突き詰めている企業や人物は日本ではまだ少ない印象です。Opsの理想像や先行事例は海外を参考にするしかないのでしょうか。

そうですね。私も基本的には海外のSaaSビジネスの動向を見ています。最近はコンパウンドスタートアップが話題になることが多く、注目しています。

※コンパウンドスタートアップ:創業時から複数のプロダクトを同時に提供する企業のこと

Ops関連のカンファレンスでは、データ活用を起点にいかにエンジニア巻き込み自動化していくか、Opsを効率化するための長期的戦略・戦術の考え方などが議題になっていますね。

海外の動向を見ていると、今後、Ops担当者に求められる能力は幅広くかつ組織規模も拡大する必要があるという印象です。

IVRyでも2-3年後にはOpsだけで数十人規模に拡大できると良いなと思っています。前職では1人で担当していたため、リソース不足が常に問題でした。

国内には、Opsに注力しブランド化できている企業はまだ少ないため、いち早く形にしていきたいですね。

“気合と根性”で量と成果を最大化するためにはデータ活用が欠かせない

Ops業務、組織づくりを推進するには社内の環境や協力が必要です。その点、IVRyにはSaaS経験者が多く提案を通しやすい環境です。セールスの全マネージャーと「データ活用とオペレーションが重要」と、はじめから共通認識を持てることは強みでしかありません。

営業には気合と根性が必要な場面も多いでしょう。しかし量と成果を最大化させるためにはデータ活用が欠かせません。データ活用の重要性を社内で共有できていれば、社内調整や説得の時間を削減できますし、2倍3倍の量を生み出すことも可能です。

SaaSはスピードとアウトカムの総量が大切なので、社内調整コストを最小化できる環境であることも重要なポイントだと思います。

SaaSの成長を加速させる鍵はナレッジ活用とOps

IVRyがスピード感をもって事業を進められる理由のひとつには、SaaS第2世代以降の企業経験者が多いことが良い影響を与えていると思います。

日本のSaaSの歴史を3つに分類したとき、第1世代はSaaSという言葉もなくASPの時代から提供しているtoB向けクラウド&サブスクリプションサービスとして1プロダクトで事業を拡大させてきた、Sansanやfreee、マネーフォワードなど現在も影響力の大きいサービスを展開する企業が挙げられます。

第2世代は、アメリカなど海外でSaaSのビジネスモデルが確立されてきたことを受け、日本でもセオリーが確立されはじめたタイミング。高い成長率があり、ホリゾンタルSaaSだけでなくバーティカルSaaSやエンタープライズへ展開するSaaSも目立ってきた世代ですね。

そして我々IVRyのような第3世代は、SaaSのファイナンスモデルが確立し、コンパウンドスタートアップと呼ばれるマルチプロダクト展開を見込んだ1stプロダクトで高い成長率がある企業や、SaaSプロダクトを軸に業界のプラットフォームビジネスを展開するなど、第2世代までのナレッジを活用した新しい潮流が生まれています。

これからSaaSが成長率を高めるためにも、第1世代・第2世代以降のナレッジを最大限活用して、今まで以上に急角度で成長していくことが重要です。

“正しい”ナレッジの生かし方

経験から得られたナレッジも重要ですが、現在は国内でもnoteやSNSなどを見ればいくらでもノウハウを得られますよね。そういう意味では今はとてもやりやすい環境だと思います。

「ノウハウ通りにやったけれどうまくいかなかった」という方をたまに見るのですがそれは当然です。自社に適した方法か否かは吟味が必要です。

「自社に適した方法」の候補となる膨大なアイデアの数々を手軽に入手できることが重要です。数あるアイデアを爆速で試し最適な方法を見つける、というのが現代日本のSaaSにおける正しいナレッジの生かし方ではないでしょうか。

ナレッジを持っているのは他の企業や競合他社も同じです。その上でスピードアップしていくためにはOpsが欠かせません。Opsの重要性は今後ますます高まっていくと思います。

真似のできないユニークな組織だからこそSaaS市場で戦える

ーーこれから日本の第3世代以降のSaaS企業は、Opsを含むプロジェクト型組織を選択すべきか否か、どのように考えますか。

難しい問いですね。

私たちとしても、例えば1000名を超える規模になったときに現在のプロジェクト型組織を維持し続けられるかというと、改善すべき点は多いだろうと感じています。

ただコンパウンドスタートアップの場合は、プロジェクト型が有効な組織形態のひとつだとは思います。

またエンタープライズ向け営業など、The MODEL型組織がマッチしない場合もありますよね。各部門の役割を見直したくとも、すぐに組織を動かしたり変更したりできないケースも多いと思います。組織規模が大きいほどスクラップアンドビルドは難しい。

そのような際に従来の縦型組織にとらわれずに「プロジェクトチーム」を設置することで新しいことにトライしやすく撤退もすぐにできるでしょう。今期はこの組織体制を組んでみたけれど効果的ではなかったから次はこの体制でいこう、例えばエンタープライズ領域におけるカスタマーサクセスはもっとセールス的な役割を持ったほうが良いね、というように。

プロジェクト単位だとリスクを下げながら、小さな成功体験を重ねられるという点もメリットですね。

コンパウンドスタートアップが“巨人”に勝つために

ーーその通りにできたら素晴らしいですね。ただマネジメントの難しさが、向き・不向きに影響しそうです。

そうですね。ただ基本的に、コンパウンドスタートアップのマネジメントはプロジェクト型に限らず難しいと思っています。

従来は、1つのプロダクトを磨き込み提供するというのが基本戦略でした。コンパウンドスタートアップでは、第2・第3のプロダクトを並行して走らせます。1プロダクトに集中すべき開発リソースを分散させることになります。1プロダクトで90点出せたところを、70点のプロダクトを複数作るようなもの。これでは、競合が80〜100点のプロダクトを出してきたときに勝てないですよね。

それでもコンパウンドスタートアップが総合力で勝つためには、独自のデータを持っている、他に真似のできない柔軟な組織体制がある、といった強みが必要だと考えています。

普通に戦っていては勝てません。かつ、それをリソースの少ないスタートアップで行うとなるとさらに難易度が上がります。

アメリカでコンパウンドスタートアップが出てきたタイミングを見ても、やはりコンパウンドスタートアップはSaaS第2・第3世代がいる市場でしか成立しないという印象です。

ーーおっしゃる通りですね。

コンパウンドスタートアップが、90点〜100点近いプロダクトを持つ競合に対抗するには、さまざまな手段を組み合わせて戦っていく必要があります。

SaaS第1世代を代表とする“巨人”たちが持っていない、ユニークなデータ取得の仕組みや真似できない組織デザイン、「この会社だからこそできる強み」を磨くことで勝負していきたいですね。

ーーありがとうございました!

immedio浜田氏・取材後記

最近、海外でよく耳にするプロジェクト型組織のリアルな話は大変興味深かったですね。
「柔軟に戦える仕組み」としてコンパウンドスタートアップはもちろん、さまざまな新規事業が出てきたときに特にニーズが高まるだろうと思いました。

SaaSが進化、成長していくなかでOpsが勝負になってくるという考え方にもとても共感しました。私は、営業・マーケティングの分断を解消する方法の一つはOpsだと思っているので、これから日本企業にもOpsが浸透していくことを期待しています。
Opsは、型やベストプラクティスがまだ確立されていないため、ある意味ではビジネスチャンスが広がる領域でもあると思いますね。

工藤さんのように営業やインサイドセールスのキャリアや現場の経験がある方が、Opsチームを牽引していることも重要なポイントです。海外のBiz Opsチームではコンサル出身者がマネジメントするケースをよく見ますが、Rev OpsやSales Opsではもっと現場の肌感が求められると思いますね。
組織を俯瞰しつつツールのナレッジも持つ、Opsのキャリア志望者や採用は今後増えていくのではないでしょうか。

今回のように全社的にプロジェクト型組織を採用できるかは向き・不向きがありそうですが、エンタープライズとSMB向けの営業組織づくりに課題を感じている企業にとって、部分的にプロジェクト型を取り入れるというのは可能性があると思います。例えばエンタープライズチームだけThe MODEL型組織から切り出す、というように。
エンタープライズ向け戦略を練るSaaSにとって、プロジェクト型組織やOpsの実践者によるリアルな話しはとても参考になると思います。

【「売れる組織」徹底研究 特集一覧】


この記事を書いた人

鈴木 舞
鈴木 舞 | BeMARKE編集長

BeMARKE編集長。これまで15年以上Webメディア運営・コンテンツ制作に携わる。前職では美容系Webメディア編集長としてサイト規模を2年で28倍の2,800万PVに成長させる。2022年より現職。BeMARKEのコンテンツ編集・制作方針や計画の策定、取材・執筆などを担当。

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