基本ノウハウ
GA4(Google アナリティクス 4)のセッション数は、UA(ユニバーサル アナリティクス)と異なる点がいくつかあります。本記事では、セッションの定義やUAとの違い、計測方法について解説します。
GA4の基本的な使い方については「【2024年版】Googleアナリティクス(GA4)の設定方法と基本的な使い方を初心者向けに解説!」をご参考ください。
GA4におけるセッションの定義は、ユーザーがWebサイトを訪問し、特定の一連の操作を行った期間を指します。このセッションは、ユーザーがサイトを離脱するか一定時間操作がない場合に終了します。セッション数は、ユーザーがWebサイトを訪問した回数を示す重要な指標です。
GA4では、ユーザーのセッションが以下の条件で終了します。
デフォルトの設定では、操作がない状態が30分続くとセッションが切れます。これをタイムアウトと呼びます。タイムアウトの時間は必要に応じて調整できます。この設定変更には“setSessionTimeoutDuration”メソッドを使います。変更によっては、日をまたいだり異なる流入元から再訪問したりする場合も、セッションは終了しません。
アプリセッションの場合、バックグラウンドで実行されるアプリに対しては、特定のイベントに`extend_session`パラメータを追加することでセッションの延長ができます。
このように、GA4ではセッションが切れるタイミングを柔軟に調整できます。
ユニバーサルアナリティクス(UA)とGA4の大きな違いの一つは、セッションの開始条件です。UAでは、ユーザーがWebサイトやアプリにアクセスした際にセッションが開始されますが、特定の条件でセッションが終了し、新たに開始される場合があります。例えば、日付が変わると自動的にセッションが終了し、新しいセッションが始まります。また、新しい流入元(検索エンジン、ソーシャルメディア、広告など)から再びアクセスがあった場合にも新しいセッションが開始されます。
一方、GA4では、これらの条件でセッションが終了することはありません。GA4では、ユーザーがWebサイトまたはアプリにアクセスしてアクティブなセッションがない場合にのみ、新しいセッションが開始されます。
これにより、GA4でのセッション数はUAに比べて少なくなる傾向があります。
データの計測方法においてもUAとGA4にはいくつかの違いがあります。UAでは、ページビュー(ユーザーが閲覧したページの総数)がデータ計測のメインとして扱われていました。一方、GA4ではイベントをベースにした計測方法が導入されています。これにより、ユーザーの行動をより詳細に追跡することが可能になります。
GA4では、すべてのユーザーアクションがイベントとして記録されます。これは、ページビューだけでなくクリック、スクロール、動画再生、フォームの送信なども含まれます。そのため、GA4のレポートではユーザーのエンゲージメントをより深く理解することができます。
以上のように、UAとGA4ではセッションの開始条件やデータの計測方法に明確な違いがあり、GA4の方がよりユーザー行動を詳細に追跡し、分析できます。GA4を活用することで、より正確なデータに基づいた意思決定ができるようになったといえるでしょう。
GA4でセッション数を確認するためには、まずGA4にログインし、左側のナビゲーションパネルから「レポート」を選択します。各レポートは、トラフィックの概要やユーザーの行動、エンゲージメントなど、さまざまな視点からウェブサイトのパフォーマンスを分析できます。
トラフィック獲得レポートでは、Webサイトへの訪問者の流入経路や訪問者の属性を詳細に確認できます。まず、「レポート」セクションから「ライフサイクル」を選択し、そのなかの「獲得」タブに移動します。次に、「トラフィック獲得」をクリックすると、セッション数や新規ユーザー数、トラフィックのソースなどのデータが表示されます。このレポートを利用することで、どのチャネルからの流入が最も効果的であるかを把握し、SEO対策やマーケティング戦略の見直しに役立てられます。
エンゲージメントレポートは、ユーザーがサイト内でどのようにインタラクションしているかを分析するために役立ちます。「レポート」セクションから「ライフサイクル」を選択し、そのなかの「エンゲージメント」タブに移動します。ここでは、ユーザーがどのページでどれだけの時間を過ごしたか、ページビュー数、スクロールの深さなど、詳細なエンゲージメントデータを確認することができます。特にセッション数に注目することで、どのコンテンツが最も訪問されているのか、ユーザーがどこで離脱しているのかを把握しやすくなります。
GA4のセッション数は、ユーザー行動をイベントベースで把握する新しい計測方法です。UAとの大きな違いは、セッションの定義や時間切れの条件にあります。GA4ではより詳細な分析が可能となり、正確なユーザー行動の把握が期待できます。GA4への移行に伴い、セッション数の違いを理解し、適切な方法でデータを確認・活用することが重要です。