セミナーレポート

マーケティング組織立ち上げの最適解とは?才流 澤井氏×コニカミノルタ 富家氏・対談【セミナーレポート】

マーケティング組織立ち上げの最適解とは?才流 澤井氏×コニカミノルタ 富家氏・対談【セミナーレポート】

BeMARKEは2023年8月30日、「BtoB Sales&Marketing SESSIONS 2023」と題したセミナーを開催しました。本セミナーでは、「マーケティング・営業組織変革の舞台裏」をテーマに、マーケティング・営業の組織変革を実現するために起こりうる障壁や組織を動かしていくためのポイントをディスカッション形式で登壇者の皆様にお話いただきました。

株式会社才流 コンサルティング部門責任者の澤井和弘氏とコニカミノルタジャパン株式会社 マーケティングセンターマーケティング企画部部長の富家翔平氏には、「マーケティング組織立ち上げの最適解」と題して、マーケティング組織を立ち上げる際の重要な視点について解説いただきました。

目次

【登壇者】

澤井 和弘氏(株式会社才流 コンサルティング部門責任者)

求人メディア運営会社にて営業・マーケティング・新規事業の立ち上げを担当。 その後、フィードフォースに入社し、マーケティングチームの立ち上げ・事業責任者などを務め、デジタルマーケティングに関するメディアへの寄稿やBtoBマーケティングに関するイベント登壇などを行う。 現在はコンサルティング事業の責任者として活動を行う。

富家 翔平氏(コニカミノルタジャパン株式会社 マーケティングセンター マーケティング企画部 部長)

「営業プロセス改革×マーケティング推進」プロジェクトを牽引し、マーケティング組織の立ち上げを担う。 マーケティングセンターの新設に伴い、全社マーケとして、事業部と連携した戦略的なマーケティング施策の実行による事業貢献に挑戦している。 BtoBマーケティング・セールスをテーマにしたイベントやセミナー、メディアへの登壇実績多数。

※2023年8月30日時点の情報です

マーケティング組織立ち上げ時に重視するポイントとは

組織力学を考慮に入れた広い視点で「実行力」を見る

ーー澤井さんはマーケティング組織を立ち上げる際に、どのようなポイントを重視していますか?

澤井和弘氏(以下、澤井氏):実行しなければ何も始まらないので、組織立ち上げの際は「実行力」を見ています。実行力といっても単純に「誰かが手を動かせばいい」というだけの話しではないですよね。

小さな組織であれば経営者と現場の距離が近いので、一人やる気がある人物がいれば実行力は上がります。一方で大規模な会社であれば、チーム間の連携や人間関係など「組織力学」も関係してくると思います。営業とマーケが連携しているほうが施策を動かしやすい、といったように。

その他にも、例えばWebサイトを改善する際に、企業情報のページは広報部門が担当し、お問い合わせフォームはIT部門が担当しているといったことがあります。Webサイト一つをとっても管轄がバラバラであるケースが多いため、マーケがどこまで管理し施策を実行できるか確認した上で全体の「実行力」を見ています。

マーケ組織立ち上げの際には、組織力学を含めた広い視点で「実行力」を見るようにしています

またマーケに何を期待されているかによっても、短期的な成果を出すべきか、長期的な取り組みが可能かなど動き方が変わるでしょう。

富家翔平氏(以下、富家氏):マーケチームの業務としてはデータ分析やペルソナ設計のようなアプローチも重要です。しかし立ち上げ期においては、施策実行におけるボトルネックの発見や、施策を本当に実行できるかの確認が重要ということでしょうか

澤井氏:そうです。戦略や方針は数人で作ることができると思います。しかし施策を実行するには、組織力学を理解した上でどのくらい実行力を発揮できるかを把握しておかなければ、絵に描いた餅になってしまいます。まずリソースも考慮した上でどれくらいの実行力があるか確認し、施策全体の方向性を決める必要があります。

短期的な成果を出した上でやりたいことに挑戦する

富家氏:例えば、自身がマーケ責任者という立場でやりたいことがあるとします。しかし周りは理解してくれないという場合、自分がやりたいことをやるべきか、あるいはやれといわれたことをやるべきか……。スタンスも含めて、どうすべきでしょうか。

澤井氏:基本的に、成果を出さなければ自由なことはできないので、まずは目に見える結果を出すことが大事だと思います。短期的に成果を出すことに注力した後、やりたいことに挑戦するほうが良いと思います。

営業とマーケの連携を念頭にやるべきことを決める

富家氏:またマーケ組織の方針をどのように具体化していくのかについて悩むマーケターが多い印象です。これについてはどのように考えますか。

澤井氏:事業戦略を含めた大きな絵を描くと良いのではないでしょうか。あるいは営業方針を確認して「営業が動きやすくするためにマーケとして何ができるのか」という観点で動くと、営業との関係性も良くなると思います。

富家氏:営業担当者に困っていることを聞くと、2回目以降の商談で何を持っていくべきか分からないといわれることがあります。そこで、1回目の商談で停滞しているお客さまだけのセミナーを考えてみよう、と提案すれば連携しやすいかもしれません。

澤井氏:営業はクロージングを優先し商談の初期段階のアプローチが手薄になることもあります。そのフェーズマーケ連動することで成果につなげることができるでしょう。

また営業がアプローチできず停滞している商談をマーケが掘り起こせれば、短期間で成果を出せるはずです。

富家氏:つまり才流さんは、現状の「実行力」を見てから短期間で成果を出すためにやるべきことを決めていくのですね。

澤井氏:そうですね。当然、戦略もチェックします。戦略が大きくずれていなければ、先ほど説明した細かいところを見ていきます。

営業との対話や商談同席で顧客解像度を上げる

ーー富家さんは営業担当者とどのようにコミュニケーションを取られていますか。

ここから先は会員限定記事となります

記事を読むには無料の会員登録が必要です。

この記事に関連するお役立ち資料

この記事を書いた人

BeMARKE編集部
BeMARKE編集部

BeMARKE(ビーマーケ)は、BtoBマーケティングの課題解決メディアです。 BtoBマーケティングのあらゆる局面に新しい気づきを提供し、リアルで使える「ノウハウ」を発信します。

SNS:XYouTube

著者の最新記事

もっと読む >

あわせて読みたい