セミナーレポート
BeMARKEは2023年10月18日、「最新!セールステックサービス展示会」と題したセミナーを開催しました。本セミナーでは、「営業DX」「セールステック」領域で営業組織の変革を推進する企業様をお迎えして、セールステックを活用した営業組織を強化する取り組み事例や最新のセールステックツールをご紹介していただきました。
株式会社セレブリックス 執行役員の今井 晶也氏と株式会社インサイドセールスプラス 代表取締役の茂野 明彦氏には、「営業の新時代 セールステック隆盛に見る 強い営業組織」と題して、セールステックの導入の是非と成果をあげる営業組織について解説いただきました。
今井 晶也 氏(株式会社セレブリックス 執行役員 セールスエバンジェリスト)
セールスエバンジェリストとして、法人営業に関する研究、執筆、基調講演等を全国で行う。 2021年8月には“Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術”を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして累計出版数が5万部を超える。 2022年7月には単著二作目として“お客様が教えてくれた「されたい」営業”を出版。 現在は執行役員 CMOとして、セールスカンパニーのマーケティング、営業、新規事業、事業推進を管掌する。
茂野 明彦 氏(株式会社インサイドセールスプラス 代表取締役)
2012年、株式会社セールスフォース・ドットコムに⼊社。 グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部⾨を⽴ち上げると同時に、アジア太平洋地域のトレーニング体制構築⽀援を実施。2016年、株式会社ビズリーチ⼊社。インサイドセールス部⾨の⽴ち上げ、ビジネスマーケティング部部⻑、営業責任者を歴任。2022年、株式会社インサイドセールスプラスを創業。著書に「インサイドセールス–訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド-(翔泳社)」
ーーセールステックツールは非常に増えていますが、セールステックツールを導入しないのは時代遅れですか?
茂野明彦氏(以下、茂野氏):セールステックツールがなければ仕事にならないかというと、そんなことはないと思います。
例えば、数十年前にパソコンが登場したとき、議事録を紙に手書きで記録する方とパソコンを使いデータで記録する方が混在していました。
ツールがなければ仕事が成立しないわけではありませんが、ツールは業務効率を上げるのに大いに役立ちますので活用するべきだと思います。
ただし、売り手側の業務を効率化するためだけにツールを活用することは、現代の営業に合わないと思っています。
ツールは、お客様に対してより良い提案をしたり、お客様に向き合い理解を深めたりするために活用していくべきです。このような買い手側に立ったツール活用ができる企業やセールスパーソンほど、これから活躍の幅が広がっていくでしょう。
ーー営業活動が上手く行かないとき、つい新しい施策やツールを導入すれば何とかなると思ってしまいがちですよね。しかしツールありきではなく、顧客視点に立ち目的を整理した上でツールを活用することが重要ですね。
茂野氏:その通りですね。例えば国内に400万社ある企業のうち、自社のターゲットは5万社だとします。5万社へアプローチすることだけを考えるとフォーム営業を自動化すれば1日もかからずに作業は完了するでしょう。
しかし現代において、この方法は効果的な営業手法であるとはいえません。ツールによって業務を自動化するだけではなく、現代の営業スタイルに合わせた効果的な使い方をする必要があります。
今井晶也氏(以下、今井氏):私も同じ考え方ですね。ツール活用の有無によって、お客様との向き合い方自体は変わらないと思っています。
例えばひと昔前にタウンページの上から下まで架電したり、闇雲に飛び込み営業をすることと、ツールを使い無作為にフォーム営業をかけることでは、お客様の体験を損なう点であまり変わっていないと思います。
テクノロジーとアナログの是非ではなく、「お客様に対するコミュニケーションがオンリーワンであるか」に焦点を当てるべきだと思います。
ただテクノロジーを活用することで新規のお客様と出会う選択肢は明らかに増えていると思います。