ニュース解説
営業DXサービス「Sansan」は、「リスクチェック powered by Refinitiv/KYCC(以下、リスクチェック)」の機能を大幅に拡充し、8月下旬より段階的に提供を開始することを発表しました。
Sansanは、企業データベースと接点データベースを組み合わせて、さらなるビジネスチャンスを発見できる営業DXサービスです。
業種や従業員規模、売上高、役職者情報といった情報を閲覧できる企業データベースを標準搭載し、自社との接点がある・ないにかかわらず、企業に関するさまざまな情報を営業やマーケティングに活用できます。
「リスクチェック」は、名刺をはじめとする顧客情報を登録するだけで、取引リスクがある企業を自動的にスクリーニングすることができる機能です。
今回、 ロンドン証券取引所グループ傘下のRefinitiv(以下、リフィニティブ)およびKYCコンサルティング株式会社(以下、KYCC)との連携を強化することで、ビジネス接点がある企業のみならず、新たにビジネス接点のない企業についても、Sansan上で取引リスクの有無の確認が可能になります。
また、法人リスクチェックの対象に各国の制裁リストが加わることで、海外の取引先に対してマネーロンダリングやテロ資金供与が疑われる取引先を事前に確認できるようになります。
働き方の多様化を背景に、名刺交換をする前にリスクチェックを行わなければならない場面も増加していることから、接点のない企業についてもキーワード検索によってリスクチェックを行うことができる「リスクサーチ機能」を追加します。
これにより、営業現場における取引リスクの一次スクリーニングに加え、法務部門や総務部門といった企業のリスク管理の主要部門において、株主/従業員などの詳細チェックや、問い合わせ先のチェックなど、接点の有無に関係なく幅広い場面での活用が可能になります。
法人リスクチェックの対象に各国の制裁リストが加わることで、海外との取引が多い企業からニーズの高かったマネーロンダリングやテロ資金供与が疑われる取引先の事前確認が可能になります。
また、KYCCが保有する高度なシステム化により収集され、情報に精通したスタッフにより厳選された国内企業のリスクデータベースとの連携を強化することで、より網羅性の高いデータベースを背景にした効果的なリスク検知を実現していくそうです。
KYCCが提供しているリスクコンサルティングサービスと連携することで、「リスクチェック」導入後の運用支援の提供が可能になります。
今までは、本機能を導入しても社内に明確な運用体制や判断基準がないことで、最終的な判断が担当者に委ねられて、リスクを見逃してしまうケースや、それらの基準を新たに構築しようと試みても何から取り組めば良いか分からないといった相談が寄せられていたそうです。
そうした悩みを抱える企業が、「リスクチェック」をスムーズに導入し、効果的に活用できるよう支援するため、企業ごとにふさわしいリスク判断の基準や、リスクが判明した場合の対応方法、業務フローの構築支援といったコンサルティングサービスの提供を準備しているそうです。
営業現場をはじめとしたあらゆる企業間取引の際の企業チェックにかかる負担の軽減や、取引における意思決定のサポートにつながる機能拡充です。リスクのある企業へのアプローチを「無駄打ち」することを防ぎ、効率的な営業活動を行うことができます。
また、今回の機能拡充は、マーケティング担当者や営業担当者のみならず、バックオフィス部門にとっても注目度の高いニュースだといえます。2022年春に発表されたプロダクト刷新(※)により、多数の企業情報を閲覧することが可能になったSansanは、名刺管理サービスから、企業情報を軸とした業務改善を支援するデータベースへと変貌をとげています。今回のリスクチェック機能の拡充は、その方向性をより印象づけるものとなるでしょう。
※Sansanが「営業を強くするデータベース」へプロダクト刷新。機能強化のポイントとは?