基本ノウハウ
自社サイトのセッション数を計測しているが、どのように分析すれば良いか分からない。そもそもPV数やUU数との違いもよく分からない。そんな悩みを抱えていませんか?
セッション数はWebサイトを用いて集客や売上向上につなげるための大切な指標の1つです。セッション数を理解することで、自社サイトの集客力を測れるようになり、改善するための施策を検討できます。
この記事では、セッション数の基礎知識やPV数・UU数との違い、計測ルール、増やす方法などを解説します。
セッション数とは、ユーザーがWebサイトを訪問した回数です。Webサイト訪問から離脱までを1セッションととらえます。例えば、ユーザーがとあるWebサイトを訪問し、4ページ閲覧した場合、4セッションではなく、Webサイトに訪問した数である1セッションとなります。このように、セッション数はあくまでWebサイト自体に訪問された数を表します。
セッション数の把握は、Webサイト上での集客や売上向上を目指すためには必要不可欠です。現状のセッション数を把握し、伸びていない原因を発見し、改善させられれば、セッション数の増加につながります。セッション数の増加はWebサイトへの訪問数の増加とほぼ同義であるため、認知度の拡大が見込めます。
セッション数はGoogleアナリティクスを用いて確認します。セッション数はWebサイト全体、ページ別、参照元別のものを計測できます。それぞれの確認方法は以下の通りです。
対象 | 確認方法 |
---|---|
Webサイト全体のセッション数 | Googleアナリティクスの左側のメニューから「ユーザー」→「概要」を選択。 |
ページ別のセッション数 | Googleアナリティクスの左側のメニューから「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」と選択。 |
参照元別のセッション数 | Googleアナリティクスの左側のメニューから「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」と選択。 |
セッション数はPV(ページビュー)数、UU(ユニークユーザー)数と混同されがちですが、明確な違いがあります。
Webサイトを訪問した数であるセッション数に対し、PV(ページビュー)数はページを閲覧した回数です。
PV数とは、ユーザーがWebサイト内のページを閲覧した回数の合計値です。Webページに遷移する度にPV数がカウントされます。例えば、あるWebサイト内の3つのページを閲覧した場合PV数は3になるものの、セッション数は基本的に1となります。ページを再読み込みした場合に計測される点もPV数の特徴です。
「セッション数の計測にかかわるルール」の章で詳しく説明しますが、30分や数時間など一定の時間を置いた場合に再度計測されるセッション数に対し、UU(ユニークユーザー)数は1日や1か月などの定めた期間を過ぎるまで計測されません。
UU数とは、一定の期間にWebサイトに訪問したユーザー数です。同一ユーザーがいくらページを訪問しても計測期間内であればカウントされません。計測期間は自分で設定できます。例えば、UU数の計測期間内であればWebサイト内でいくら待機したり再読み込みしたりしたとしてもUU数は増えません。
セッション数は基本的に訪問から離脱までを1セッションとしてカウントしますが、以下の場合は複数セッションが計測されます。
セッション数が複数計測されるケース | 要因 |
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時間による期限切れの場合 | 30分操作がなかった、日付が変わった |
キャンペーンソースが異なる場合 | 広告から遷移した、異なる参照サイトから遷移した |
同じWebサイトを開いている場合 | 複数のタブで開いた、複数のウインドウで開いた、複数端末で開いた |
本記事で解説している内容は過去のGoogleアナリティクス(UA)の情報であり、最新版のGoogleアナリティクス4(GA4)ではセッションの計測ルールが変更されています。詳しくは下記の記事内にある「UAから変更になった主要指標」を参照してください。
関連記事:これから始めるGA4の使い方!基礎・初期設定の手順・実践例まで解説
時間による期限切れによって、セッション数が増加する場合は「30分の無操作」と「日付が変わった」の2パターンです。Webサイト内に30分以上の動画のような無操作でも見れるコンテンツを載せている場合、セッション数が増加したとしても見ているユーザーが増えていない可能性があります。
初期設定のままであれば、30分間ページ操作をせずにもう一度ページ操作を行った場合、1セッション増えます。
例えば、タブを開いたまま他の作業をしていたり、休憩を30分以上していたりする場合はセッション数が加算されます。30分経過していなければ、ブラウザやタブを閉じて再度訪問しても計測されることはありません。
ただし、30分はデフォルトで設定されているものであり、1分~4時間の範囲で変更することが可能です。
セッション数の計測は0時00分の日付の変わり目にリセットされ、再度計測されるようになります。
例えば、11時59分にWebサイトに訪問し、0時00分を迎えた場合、セッション数は2となります。0時00分にセッション数の計測がリセットされるのは、Googleアナリティクスが1日単位でデータを集計するためです。
キャンペーンソースが異なることによって、30分経過や日付が変わっていなくてもセッション数が加算されます。キャンペーンソースとは検索エンジン、広告、参照サイトなどのWebサイトへの流入元のことです。自然検索の他にセッション数が加算される場合は、大きく以下の2つがあります。
広告からWebサイトに遷移した場合は、異なるセッション数として計測されます。
例えば、あるWebサイトAに自然検索でたどり着いた場合と、Googleのリスティング(検索連動型)広告によってたどり着いた場合では、それぞれのセッション数が加算され、合計が2となります。
異なる参照サイトから遷移した場合も、それぞれのセッション数として加算されます。
例えば参照サイトaからWebサイトAに遷移した場合と参照サイトbからWebサイトAに遷移した場合は、それぞれのセッション数が加算され、合計が2となります。
検索エンジンがCookieを用いてユーザーを識別している特性上、同じWebサイトを開いていても、セッション数が加算される場合とされない場合があります。
Cookieとは、Webサイトにアクセスした際、スマホやブラウザに一時的に保存されている訪問したWebサイトの情報であり、サイトを訪れた日時や閲覧情報などが記録されています。同じWebサイトを開く3パターンについてそれぞれ解説します。
同じWebサイトを複数タブで開いている場合、タブごとにCookieは区別されないため、タブの数にかかわらず合計セッション数は1になります。
同じWebサイトを複数ウインドウで開いている場合は、同一ブラウザかどうかでセッション数が加算されるかされないかが異なります。同一ブラウザの場合はCookieも同一になり、セッション数が加算されません。一方、別ブラウザやシークレットブラウザだった場合はCookieが異なるため、セッション数はそれぞれで加算されます。
例えば、GoogleのブラウザからWebサイトAに遷移し、別ウインドウのyahoo!のブラウザからもWebサイトAに遷移した場合、セッション数は合計2となります。
複数デバイスで同じWebサイトを開いている場合は、Cookieが異なるためセッション数はそれぞれで加算されます。複数端末で同一Webサイト内の同じページを開いていたとしても、セッション数が加算される仕組みです。
例えば、スマホとPCで同じWebサイトAを同時に閲覧した場合、セッション数は合計2となります。
セッション数を増やすための方法は以下の3つがあります。セッション数の増加は売上や集客の増加に直接的につながるため重要です。
セッション数を増やすためには検索エンジンからの流入を増やす必要があります。SEO対策を行い、検索上位に表示されるような工夫をしましょう。SEO対策は、内部施策と外部施策の大きく2つに分かれています。内部施策は自社で実施可能なSEO施策、外部施策は自社では対応できないSEO施策です。代表的なものを以下にまとめています。
<内部施策>
・ニーズのあるキーワードの選定
・魅力的なタイトルの決定
・キーワードを含めた見出しの決定
・サイト高速化
・レスポンシブ化
・内部リンクの設置 など
<外部施策>
・被リンクの獲得
ターゲットにしているユーザーが求める情報を盛り込んだコンテンツを頻繁に更新することで、セッション数の増加が見込めます。ユーザーがコンテンツによって満足感を得られれば、自社コンテンツの信頼度が高まり、再び訪問してくれることが期待できるからです。加えて、コンテンツを量産することによるWebサイト自体の魅力の向上や、検索で表示されるページの増加もセッション数増加の追い風となります。
Web広告やSNSの運用によって流通経路を増やすことで、セッション数の増加が期待できます。SNSはTwitterやFacebook、instagramなどが挙げられます。SNSは拡散力が高いため、拡散されれば多くの方の目に触れるようになりセッション数の増加に効果的です。Web広告はリスティング(検索連動型)広告やディスプレイ広告などが該当します。特にリスティング(検索連動型)広告はユーザーの検索キーワードに関連した広告が表示できるため、セッション数の増加が見込めます。
セッション数の基礎知識やPV数・UU数との違い、計測ルール、増やす方法などを解説しました。セッション数は自社サイトの集客力を測るための大切な指標となります。自社サイトの集客力を高めるためにも、まずはセッション数を正しく把握し、どこに課題があるのかを見極めましょう。そして、抱えている課題に対して有効な施策を検討できれば、自社の売上の向上が期待できます。