基本ノウハウ
リッチリザルトを有効活用すると、自社サイトへの流入増加が期待できます。しかしWebサイトの運用開始から間もない方は、「どのような機能なのか」「自社でも活用できるのか」など疑問が多いでしょう。
本記事ではリッチリザルトとは何か、強調スニペットとの違いや期待できる効果などを踏まえながら解説します。具体的な種類や表示方法も、画像を交えながら紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まずはリッチリザルトとは何か、期待できる効果や強調スニペットとの違いを踏まえながら解説します。基礎知識を押さえたい方は、1つずつチェックしていきましょう。
リッチリザルトとは、通常であればタイトルや説明文のみが記載されるところに、追加情報も表示できるようにする機能です。
以前は下記のような呼び名もありましたが、現在はリッチリザルトに統一されています。
なお一口にリッチリザルトと言っても、その種類は以下のようにさまざまです。
具体的な種類や表示のされ方について知りたい方は、「2.【画像付き】リッチリザルトの種類」をあわせてチェックしてみてください。
リッチリザルトを表示することで期待できる効果は、下表の3つです。
期待できる効果 | 理由 |
---|---|
クリック率(CTR)の増加 | 視認性が高まり、他サイトと差別化されるため |
ユーザビリティの向上 | Webサイトの構造が可視化され、求めるページにたどり着きやすくなるため |
クローラビリティの改善 | リッチリザルトを表示させるために必要な工程(※1)により、Webサイトの構造を認識しやすくなるため |
※1 構造化データのマークアップが必要、詳細は「3.リッチリザルトの表示方法」を参照
上記により、SEOの評価が間接的に高まる可能性があります。ただしすべてのキーワードでリッチリザルトが表示されるわけではない点に注意しましょう。SEOの基本的な対策や実施するメリットなどについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「SEOとは?用語の基礎知識を初心者にも分かりやすく解説」
強調スニペットとは、ユーザーが求める回答の概要が検索結果の上部に表示される機能です。
リッチリザルトと強調スニペットの違いは、下表の通りです。
リッチリザルト | 強調スニペット | |
---|---|---|
検索結果の表示場所 | 検索順位に準ずる | 検索順位にかかわらず、最上部に表示される |
Webサイト管理者側での設定 | できる | できない |
表示されるキーワード | さまざま | 「〇〇とは」などの質問形式 |
いずれもクリック率の向上が期待できますが、管理者側のコントロール可否は分かれます。強調スニペットの表示はサイト運営側ではコントロールできないため、リッチリザルト表示への注力がおすすめです。
以下に挙げるリッチリザルトの種類を、画像付きで解説します。
よくある質問とは、その回答の概要が見られるリッチリザルトです。
回答は折りたたまれ、クリックすることで内容を確認できます。なお開閉操作は、クリック数としてカウントされません。Googleサーチコンソールなどで計測できるのは、あくまでもWebサイトへ遷移するクリックと覚えておきましょう。
パンくずリストは、カテゴリの階層構造を示すリッチリザルトです。下図のように、各記事の上部に掲載されます。
なお同じ階層に複数のカテゴリがある場合は、人気度が高い方を優先的にリスト内へ含めるのがおすすめです。例えばグルメサイトの場合、エリアとジャンルであれば人気度がより高い前者をパンくずリストに含めます。
上記を踏まえると、設定の際はユーザーのニーズや需要を良く理解しておくことが大切であるといえるでしょう。
商品情報に関連したリッチリザルトでは、以下のような情報を表示できます。
このリッチリザルトはピンポイントで商品を探している顕在層はもちろん、まだニーズが明確化していない潜在層にもリーチできる点がメリットです。ユーザーの印象に残るよう、最新の情報と視認性の高い画像を載せるとより効果的でしょう。
イベント情報は、関連する催し物の日時や概要を掲載するリッチリザルトです。
拡張機能としてホームアクティビティがあり、以下のようなイベントを探しやすくなります。
上記からも分かる通り、拡張機能は物理的ではなく仮想イベントの際に利用できるリッチリザルトのため、混同しないように注意しましょう。
こちらは、求人サイトに登録されている情報が一覧化されるリッチリザルトです。表示内容は、以下のようなものが挙げられます。
なお終了した求人の削除を疎かにすると、Googleによる手動による対策が実行されます。検索順位の低下や検索結果からの除外などが起きる可能性もあるため、募集終了後はすみやかに対処しましょう。
リッチリザルトは上記も含め30種類もあります。(2023年10月時点)この他にもよく見かけるのは以下の5つです。
リッチリザルトの種類 | 概要 |
---|---|
アーティクル | 通常よりも大きいサムネイルとともにタイトルが表示される(ニュース記事など) |
カルーセル | 同一サイトの情報をギャラリー形式で表示する(映画やレシピなど) |
画像メタデータ | Google画像検索で詳細情報が表示される(作成者やクレジット情報など) |
ローカルビジネス | Googleナレッジパネル(※2)にビジネスの詳細情報が表示される(営業時間や経路など) |
ソフトウェアアプリ | アプリの詳細情報が表示される(説明文やリンクなど) |
※2場所や組織などを検索したときに表示される情報ボックス
今回解説したリッチリザルト以外にどのようなものがあるか、詳細を知りたい方はGoogleの公式ページをぜひ参考にしてみてください。
リッチリザルトの表示方法は、主に以下の2つです。
ただし事前準備として、当該キーワードでリッチリザルトが表示されるかを確認する必要があります。表示される場合は、上記に挙げるいずれかの方法で構造化データをマークアップし、リッチリザルトを設定しましょう。
なお構造化データとは、コンテンツの内容を定義するものです。いわゆるデータのデータ(メタデータ)であり、当該データが人物名なのか、商品名なのかなどを示します。またマークアップとは、タグなどを使用して特定の情報を囲み、構造化データの存在や種類を明示するものです。
上記の基礎知識を踏まえ、実際の表示方法を見ていきましょう。
リッチリザルトを表示させる方法の1つが、以下に挙げるようなマークアップ言語を使用してHTMLに直接書き込むことです。
上記のうち、Googleが推奨しているのはJSON-LDになります。
例えばレシピのリッチリザルトを設定する場合、下記のようにデータを指定します。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
"@type": "Recipe",
"name": "チョコレートチップクッキー",
"image": "cookie.jpg",
"description": "美味しいチョコレートチップクッキーのレシピです。",
"recipe Ingredient": [
"バター:100g",
"砂糖:100g",
"小麦粉:200g",
"チョコレートチップ:200g"
],
"recipeInstructions": [
"バターと砂糖をよく混ぜます。",
"小麦粉を加えてさらに混ぜます。",
"チョコレートチップを加えて生地を作ります。",
"生地をクッキングシートに丸めて並べ、180度のオーブンで15分焼きます。"
]
}
</script>
ただし非エンジニアなどマークアップ言語に馴染みがない方は、HTMLへ書き込むのは難易度が高い作業になります。その場合は、正確かつ短時間で済む次項の方法がおすすめです。
Googleの構造化データマークアップ支援ツールを利用すると、リッチリザルトの表示はより簡単にできます。具体的な手順は、以下の通りです。
ただし設定できるリッチリザルトの種類は限られるため、表示させたい情報を選択できるか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
最後にリッチリザルトが表示されない場合の対処法を、2つ紹介します。
まずはクローラーが構造化データを読み取れる状態にあるか、Googleサーチコンソールで確認します。具体的な手順は、以下の通りです。
表示されたレポートをもとに、エラー部分を1つずつ改善していきましょう。なおGoogleサーチコンソールの機能や使い方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
関連記事:「Googleサーチコンソールとは?機能や使い方をご紹介」
Googleのリッチリザルトテストでは、マークアップした構造化データが正しく実装できているかを確認します。具体的にはURLまたはコードを入力し、どこにエラーがあるかをチェックしましょう。
例えば「このページはリッチリザルトの対象です」となった場合は、構造化データのマークアップは問題ありません。つまりリッチリザルトが出ないのは、そもそも当該キーワードが表示の対象外になっている可能性があります。
また「一部のマークアップがリッチリザルトの対象ではありません」となった場合は、以下に挙げる2つの原因が推測されます。
このケースでは解析エラーが出ている部分を修正後、再度テストし、プレビューで実際の検索結果を確認しましょう。
リッチリザルトとは、検索結果にさまざまな追加情報を載せられる機能です。クリック率の増加はもちろん、ユーザビリティ・クローラビリティの改善につながり、間接的ですがSEOの評価が高まる可能性もあります。
特に「よくある質問」や「パンくずリスト」などは、代表的なリッチリザルトです。表示はHTMLに直接書き込むことでもできますが、Googleの支援ツールを利用すると、より正確かつ短時間で作業を終えられます。
自社サイトへの流入を増やしたい方は、リッチリザルトを有効活用していきましょう。