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ハイタッチ営業とは?直販営業との違いや営業手法も解説

ハイタッチ営業とは?直販営業との違いや営業手法も解説

IT業界のBtoB営業に携わる方であれば「ハイタッチ営業」という言葉を一度は耳にしたことがあるでしょう。元々は外資系のIT企業が展開する営業方法でしたが、近年ではIT以外の業界でも使われるようになりました。

この記事では、ハイタッチ営業とはどのような営業手法なのか、直販営業やパートナー営業とは何が違うのかを解説した上で、ハイタッチ営業を成功させるための具体的な営業手法も紹介します。

目次

1.ハイタッチ営業とは? 

ハイタッチ営業とは、メーカー企業と顧客企業が直接やりとりして信頼関係構築を目指す営業方法のことです。スポーツなどで味方同士が頭上で手を合わせるジェスチャー「ハイタッチ」の様子になぞらえて、代理店やパートナー企業の頭上でやりとりがなされる営業方法を表しています。ハイタッチ営業では、メーカー企業と顧客企業があたかもチームメイトのような関係性を育み、一丸となって利益追求を目指します。

ハイタッチ営業の特徴は、仲介者が介在しないため顧客企業との信頼関係を構築しやすい点にあります。代理店やパートナー企業が顧客企業の担当窓口とやりとりする場合と比較して、顧客企業の役員や部門長といった意思決定権者とつながりやすいことも、ハイタッチ営業のメリットです。

2.他の営業手法との違い

ハイタッチ営業は、仲介者を介さずにやりとりする点で直販営業と似ています。また、パートナー企業を支援するという点では、パートナー営業との共通点もあります。これらの営業方法とハイタッチ営業との違いはどのような点にあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

直販営業との違い  

直販営業とは、製品を製造したメーカー企業が直接顧客企業にアプローチする営業方法です。代理店やパートナー企業を介さない点でハイタッチ営業と似ていますが、本来的意味のハイタッチ営業は代理店などの存在を前提としているため、この点に違いがあります。

つまり、直販営業においてはそもそも代理店やパートナー企業が存在しません。メーカー企業は、自ら営業から販売、導入、請求までを直接行います。

一方、ハイタッチ営業においては通常、代理店やパートナー企業が存在しています。日本で最初にハイタッチ営業を展開したのが、ciscoをはじめとする外資系のIT企業です。当時のハイタッチ営業は、メーカー企業が日本のパートナー企業をサポートするために、パートナー企業の営業支援の一環として顧客企業にアプローチする営業のことを指していました。

ところが近年、サブスクリプションモデルやクラウドサービスが台頭するにつれ、代理店を介さない営業方法が一般的になってきました。こうした変化を受けて、代理店の存在を前提とするか否かにかかわらず、直接顧客とやりとりする営業方法が広く「ハイタッチ営業」と呼ばれるようになりました。このため、現在では直販営業とハイタッチ営業の違いはあいまいなものとなっており、ハイタッチ営業を直販営業の一形態ととらえる向きもあります。

パートナー営業との違い 

パートナー営業とは、メーカー企業が代理店やパートナー企業の営業を支援する活動全般を指す言葉です。

ハイタッチ営業の起源がパートナー企業や代理店のサポートにあることに照らすと、ハイタッチ営業とパートナー営業の役割は似通っています。もっとも、パートナー営業はマーケティングやプロモーションを含めた幅広い支援活動を指すのに対して、ハイタッチ営業はより営業に特化した活動を指します。見方によっては、ハイタッチ営業はパートナー営業の一環ともとらえられます。

3.ハイタッチ営業を成功に導く営業手法

ハイタッチ営業が成功するか否かは、いかにして顧客の信頼を勝ち取り、長期的にその関係を維持できるかにかかっています。以下では、ハイタッチ営業を成功に導く上で有効な営業手法を紹介します。

インサイト営業 

ハイタッチ営業を成功させるための手法の1つが、インサイト営業です。インサイト営業とは、顧客自身も気づいていない潜在的な課題を発見し、そのための解決方法までを提案する営業手法です。潜在的な課題を見つけるには、顧客の状況を傾聴し、情報を整理・分析し、問題点を抽出する傾聴力、論理的思考力、そして洞察力が必要になります。

いずれも高度なスキルですが、顧客の潜在ニーズを発見した上で有効な解決策を提示できれば、短期的な製品・サービスの取り引きを超えて長期的な信頼関係を築けます。

顧客の信頼を勝ち取るための営業手法の1つとして、インサイト営業のスキルを身に付けることをおすすめします。

SPIN話法 

SPIN話法も、ハイタッチ営業ないしインサイト営業と好相性です。SPIN話法は、イギリスの行動心理学者ニール・ラッカム氏が提唱する話法です。「SPIN」は、Situation question(状況質問)、Probmel question(問題質問)、Implication question(示唆質問)、Need-payoff question(解決質問)の4つの頭文字をとったものです。4つの質問はそれぞれ、顧客の現状を聞き出す質問、顧客の問題意識を引き出す質問、問題解決の必要性を示唆する質問、そして「この製品・サービスで問題解決できる」と顧客に気づかせる質問です。

営業担当者は、これらの問いを順番に投げかけることで、顧客の悩みに寄り添いながら潜在ニーズを引き出します。SPIN話法を通して、営業担当者は顧客にとって「良き相談相手」のような存在となり、両者の信頼関係が深まります。

アフターフォローも忘れずに  

ハイタッチ営業の目的は、単発の商談成立ではなく、顧客と長期的かつ強固な信頼関係を育むことです。従って、商談が成立した後のフォローアップも欠かせません。

商談後のお礼メールや製品・サービスの導入後のヒヤリングといったアフターフォローをきめ細かに行うことで、顧客との信頼関係を継続的に醸成しましょう。

4.まとめ

ハイタッチ営業は、BtoB営業で企業と顧客が直接やりとりして強固な信頼関係を構築する営業手法です。あたかもハイタッチのゼスチャーをするように、両者が一丸となって共通の利益を目指すことにも特徴があります。長期的な関係を見据えたハイタッチ営業に適する手法としては、インサイト営業やSPIN話法などの営業手法があります。これらの手法を駆使して、顧客に伴走するチームメイトのような営業担当者を目指しましょう。


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BeMARKE編集部
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