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データドリブンとは?基礎知識から支援ツールまで幅広く解説

データドリブンとは?基礎知識から支援ツールまで幅広く解説

近年、多くの企業がさまざまな種類のデータを蓄積し、その分析結果をもとにビジネスに取り組んでいます。この業務プロセスをデータドリブンといいます。昨今はデータドリブンマーケティングという言葉も注目されていますが、データドリブンについて詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、データドリブンの概要に加えてメリットや効果、また、実現するためのステップや活用しやすいツールについて紹介します。

目次

1.データドリブンとは?

データドリブンとは、勘・経験といった定性的なものではなく、定量的なデータを集め、分析して得た結果を根拠として、課題解決やビジネス上の意思決定を行うプロセスを指します。

データドリブンが求められる理由

データドリブンが求められる主な理由として、消費者の購買行動の多様化・複雑化が挙げられます。

近年は、良い商品を安く提供すれば消費者が買ってくれるという単純な時代ではありません。消費者の購買活動はオフラインとオンラインを頻繁に行き来するようになったため、どの情報が購買の決定的な情報になるのかという特定が困難になっているのです。

企業やブランドのイメージを重視する人もいれば、商品や企業に対する口コミを重視する人もいます。このように、一口に消費者といっても、重要視する情報は人それぞれです。現在の企業活動では、消費者が重視する要素をデータ分析から導き出し、それに対応することは必須の施策となりつつあります。

2.データドリブンのメリット

データドリブンのメリットとして以下の2つについて解説します。

  • 経験や勘にデータという根拠が加わる
  • ボトルネックの早期特定が可能

経験や勘に「データ」という根拠が加わる

データドリブンの最大のメリットは、定量的なデータから導き出された結果を根拠にすることで、意思決定のロジックを誰とでも共有できるようになったことです。これまで、経営に対する重要な判断は経験や勘に頼って行われてきました。しかし、どれだけ優れた経験や勘があっても、属人性が高く再現性の低いものです。

データドリブンであれば、経験や勘にデータという裏づけを付与できるのでロジックが理解しやすくなります。判断のロジックが共有できるのであれば、仮に担当者が変更になっても同様の精度で判断ができるでしょう。

データドリブンを取り入れれば、これまで特定の個人にしか分からなかった経験や勘のロジックを可視化できるようになります。

ボトルネックの早期特定が可能

データドリブンでデータを収集して分析すれば、ボトルネックを早期発見することが可能です。発見が早くなれば、ボトルネックを放置することによる損害も最小限に抑えられ、早急に解決のためのアクションに移れます。

ビジネスにおいて、業務全体の最適化を図るために業務の停滞や生産性の低下を招いている工程・箇所(ボトルネック)の解消は必須です。ただ、ボトルネックは思わぬところに潜んでいることが多く、発見・特定には時間がかかります。ボトルネックを発見・特定したあとは当然、解決するためのアクションも必要になるため、発見から解決までのプロセスが完了するまで多くの時間と労力を要します。

3. データドリブンを実現するためのステップ

ここでは、データドリブンを実現するためのステップを順番に説明します。

  • STEP1:データを集める
  • STEP2:データを分析できる状態にする
  • STEP3:データを分析してアクションプランを導き出す
  • STEP4:プランを実行する

STEP1: データを集める

データドリブンのファーストステップではデータを収集します。企業によっては複数のシステムを利用していることもあるため、必要に応じてデータ管理ツールを導入した方が良いでしょう。

どこからデータを収集するかは、企業の業種や部署によって異なります。以下にいくつかの例を挙げます。

  • 基幹システムや業務システム
  • Webサーバー・Webサイト
  • IoT
  • 他社から導入したシステム・ツール

STEP2:データを分析できる状態にする

次に、収集したデータを分析できる状態にします。集めたデータを、そのままの状態ではなく内容を把握しやすいように整理して可視化するのです。

しかし、集まるデータは膨大な量となるため、手動で作業するのは非効率的です。大量のデータを処理するときには、BI(BusinessIntelligence)ツールやWeb解析ツールなどを利用することをおすすめします。

STEP3: データを分析してアクションプランを導き出す

人が見て内容を把握できる状態にしたデータは、分析してこそ役立ちます。データドリブンでは、一定時間が経過したデータの変化や、関連するデータの相関関係などを分析します。これらの分析から事象の因果関係や予測値を求め、課題の設定やアクションプランの立案、ビジネス上の意思決定などに役立てるのが一般的です。

このようにデータを分析したり、活用したりするためにはビッグデータとマーケティングに対して深い知識と経験を持つ人材が必要です。そのため、データドリブンを行う環境を整えるとともに、データドリブンを実践できる人材を確保することが重要です。

STEP4:プランを実行する

分析したデータから具体的な課題設定やアクションプランを導き出せば、あとは実行するだけです。

チームを組織的に運用してプランを実践し、そこから得た結果に応じて問題点の発見や改善を行います。このPDCAサイクルを活性化させて、データドリブンを取り入れたマーケティングの精度とレベルを上げていきましょう。

ただ、企業によっては、関係部署や執行部がデータドリブンによって得たアクションプランの実行に協力的ではないケースがあります。アクションプランの実行にこれらの協力や理解が必須である場合は、企業全体への周知と連携が必要な部署との協力体制の構築を先に行う必要があります。

4. データドリブンの実現を助けるツール

データドリブンを実現するためには、データを収集・分析するためのツールが必要です。ここでは以下の4つのツールについて解説します。

  • MA
  • SFA/CRM
  • DMP
  • BI

MA

MAは、マーケティングで必要とされる作業を自動化できるものです。具体的には、獲得した見込み顧客の情報を一元的に管理でき、メールやSNS、Webサイトといったメディアを活用したマーケティング活動を自動化できます。

消費者との接点が多様化し、行動も複雑化している現代では一人ひとりの消費者に最適なアプローチを行うことが難しくなっています。しかし、MAを活用すれば、宣伝や広告の配信の自動化、優先度の高い見込み顧客のリスト化などを自動的に行えます。自動化できるものを自動化することで、社員の作業負担を大幅に削減できるでしょう。

SFA/CRM

SFAは、営業活動を効率化するための営業支援システムのことです。受注数や売上、営業プロセスの進捗、商談の内容などを可視化できます。SFAは、商談の内容や進捗状況をまとめて管理し、チーム内で共有したい場合などにおすすめです。

CRMは、顧客を育成する顧客関係管理システムのことです。顧客管理を行いつつ、顧客との良好な関係を長期的に維持していくためのツールで、顧客を起点としたマーケティング戦略やプロセスを構築していくときに役立ちます。

これらは名称が分かれているものの、一体化したツールが多いため、どちらを選んでも大きな問題はありません。

DMP

DMPは、パブリックデータという企業から提供されるビッグデータや社内情報を収集・分析して自社のマーケティングに生かすプラットフォームです。自社で収集したデータに基づくものをプライベートDMPと呼びます。

Web上の集客や顧客の新規開拓などに活用されており、分析したデータを使ってWeb広告ツールなどと連携することもできます。

BI

BIは、企業内に蓄積したさまざまなデータを分析して可視化し、ビジネス上の意思決定に役立てるソフトウェアです。データドリブンに対する需要の高まりにともない、BIツールも注目されています。

BIは、ダッシュボードから必要な情報をすぐに確認できる製品が多く、データドリブンの実践において有用なツールといえるでしょう。

5.まとめ

データドリブンは、定量的なデータを収集して分析し、ビジネス上の課題や意思決定に役立てるものです。活用できる領域は広く、マーケティングや経営はもちろん、プロダクト開発などの領域でも注目されています。データドリブンを活用するためには、データの収集・蓄積・可視化・分析などを行うための環境が必要です。

これからデータドリブンを実践してみようという企業は、本記事が紹介した基礎知識や支援ツールに関する情報などを参考に、自社の課題に必要なツールを検討してください。


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BeMARKE編集部
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