セミナーレポート
BeMARKEは2023年1月25日に、「BtoB企業向け マーケティング成果を最大化させる顧客理解の基本と実践」と題した4社共催セミナーを開催しました。本セミナーでは、「顧客理解」をテーマに、なぜ顧客理解が重要なのか、顧客情報やデータをいかにマーケティング戦略や施策企画に活用するかを、各社のエキスパートにご講演いただきました。
株式会社RevComm BDR Salesの瀬河 真ノ輔 氏には、「お客様の現場の声を正しく社内展開する方法」と題して、顧客からのヒアリング内容を社内で共有する際の課題と、ツールを利用した解決方法について解説いただきました。
【登壇者】
瀬河 真ノ輔 氏(株式会社RevComm BDR Sales)
新卒でワークスアプリケーションズに入社。 その後、GMOグループにてWEB集客サービスのコンサル営業に携わる。 新規開拓営業(電話完結型)を得意とし、アワード受賞歴多々。 インサイドセールスのSV、オンラインセールスのMGRとして従事した経験を基に、BDR組織の体制強化のためRevCommに参画。
瀬河 真ノ輔 氏:今回、お客様の現場の声を正しく社内展開する方法というテーマで、次の4点について紹介します。
1つ目の「お客様の情報を聞き取る」についてです。例として、インサイドセールスがお客様から情報を聞き取り、それをフィールドセールスに共有する視点で説明します。
ポイントは、お客様に必ず聞く項目と可能であれば聞く項目を分けておくことです。私たちが必ず聞く項目は次の5つです。
この情報を社内で共有できると、フィールドセールスがお客様に提案しやすくなります。
可能であれば聞く項目は、BANT情報と呼ばれる次の4つです。
これに加えて、導入障壁になりそうなもの、他に検討しているサービスがあるかどうかをお聞きできるとと良いでしょう。
しかし、このようなセンシティブな情報は、初めてのお客様から引き出すにはリスクがあります。その場合は無理に聞かず、状況に応じて聞くべき情報を仕分けます。
ヒアリングのコツは次の3つです。
1つ目の柔軟性とは、形式的なヒアリングは行わないことです。お客様のお悩みやリアクション、パーソナリティに合わせてヒアリングすることが重要です。
2つ目の関係性の構築についてです。先ほど述べたとおり、関係ができあがる前に、BANT情報を聞くことはリスクがあります。
3つ目の本質については、幅広く浅い会話になってしまい、お客様が本当に困っていることを見落とさないよう注意します。
お客様からヒアリングした要望や検討具合を、社内に展開していく手法としては、営業支援システムのSFA、顧客関係管理のCRMやコミュニケーションツール、コンピュータと電話を連携させるCTI、オンライン面談ツールなどが挙げられます。
情報の社内展開について最重要ポイントは、お客様の情報を正確に伝える、ということです。主観が入りづらいというメリットのある、SFA、CTI、オンライン面談ツールを紹介します。
SFA(Sales Force Automation)は顧客管理や商談管理、アクション管理、数値の可視化やダッシュボードが使えるサービスです。
CTI(Computer Telephony Integration)は架電内容の録音と記録、架電の改善点を可視化したり、数値化できます。
オンライン面談ツールは、打ち合わせ内容の録画と記録、打ち合わせの改善点の可視化、数値の可視化ができます。
SFAは入力した人の主観が入りやすいです。そのため、お客様の対応情報や記録が部分的になり、網羅的に残らないというデメリットがあります。SFAだけでなく、CTIやオンライン面談ツールを加えることが必要です。これにより、お客様の応対内容を定量的な数値評価したり、通話の自動録音や打ち合わせの自動録画によって、一次情報を記録します。
お客様の声を社内展開する際に起こる問題や課題を、次の4つのフェーズで紹介します。
インサイドセールスがお客様と会話をして、フィールドセールスに報告する際の課題です。アポイントの数に追われているインサイドセールスが、ヒアリング条件を満たしていないにも関わらず、フィールドセールスに案件としてアポイントを渡してしまうことです。本来起きてはいけないことです。
また、質の高いヒアリングが行われた場合でも、文書や口頭だけの共有では、ニュアンスや提案ポイントまで正確に伝えることができません。これはインサイドセールスがお客様の会話の意図やリアクションの意味を把握できなかった場合もあります。そのため、間違った温度感でフィールドセールスに共有してしまうことになります。例えば「お客様の課題感がはっきりしていて逼迫し、緊急度も高い」と社内で共有したが、実際はお客様の意図とは違い、優先度の高い案件ではなかったということもあります。
フィールドセールスがカスタマーサクセスに報告する際の課題です。お客様の要望や期待値をカスタマーサクセスに正確に共有できないと、お客様にとって満足度の高いサポートができません。
仮にフィールドセールスがカスタマーサクセスの支援外のサービスを約束をして契約を取ってしまった場合です。情報が共有されていないと社内で気づくのが遅れてしまいます。支援がスタートし、すでにお客様から支払いがあり、ある時クレームが発生したタイミングで情報が共有されていないことに気づいてしまう、ということがあってはいけません。社内で正確な情報共有ができていないと、このようなことが起こるリスクがあります。
カスタマーサクセスやカスタマーサポートから開発チームに報告する際の課題を3つ紹介します。1つ目は開発側はお客様とのコミュニケーション機会が少なく、要望の重要度やお客様の温度感を正しく把握できないことです。2つ目はトラブルが発生した際に、報告書にまとめてから開発チームに共有すると手間がかかり、タイムリーに共有できないことです。3つ目はカスタマーサクセスが勝手に重要度の低い要望だと判断し、開発チームに報告をしないことです。これらは本来起きてはいけないことです。
インサイドセールスがマーケティング部門に報告する際の課題です。マーケティング部門から提供されたリードに対するKPIの数値が、事実に基づいておらず、マーケティング施策の改善を正しく行えない場合があります。架電の件数や通電した件数、有効商談につながった件数を正しく記録する必要があります。またKPIの報告のみの場合、お客様の関心や課題などがマーケティング部門へ共有されないという課題があります。インサイドセールスはお客様から聞くべき情報を聞き取り、お客様のセミナー参加の背景や課題感を深掘りし、報告する必要があります。
電話やオンライン面談における本質的な課題は、お客様と担当者が何を話しているのか正確に把握ができない”ブラックボックス問題”です。担当者の主観混じりの報告では、社内展開される情報に偏りが生じる可能性があります。そのため、お客様の情報が正しく社内に伝わらず、お客様にとって最善の対応をとることができません。
私たちが提供するミーテルでは、電話やオンライン面談でのブラックボックス化しているお客様との会話の様子を可視化し、お客様の情報を正確に共有できます。
ミーテルは、電話とオンライン面談の記録を一元管理できます。
お客様と担当者が会話した内容を、各関連部門の担当者や上司、開発担当者に簡単に共有でき、経営判断に活かすことができます。
ミーテルの機能を使って、お客様の会話内容をどのように共有できるのかを紹介します。
録音した対応履歴の見える化機能を紹介します。対話履歴、対応メモ、音声波形データ、再生速度を選択できる機能があります。音声データが視覚化され、該当箇所にメモを加えることができるため、後から確認したい箇所を簡単に聞けます。
次に感情認識機能について紹介します。AIが音声データから、発話者の感情がポジティブかネガティブなのか判断して表します。お客様の会話がネガティブと識別された場合、お客様が納得していない、クレームの可能性があるなど予測できます。このデータを社内で共有できるようにしておくと、大きな問題になる前にフォローできます。
スコアリングは、お客様との会話内容から応対の品質について点数付けする機能です。話す速度が適切か、会話の中で使うべきキーワードを使っているかどうかを評価します。また、キーワードを設定してトラブルになるような発言がないかチェックできます。
文字起こし機能では、会話全部が文字起こしされ、「あのー」や「えーと」といった不要な言葉を削除できます。要約機能もあるので、AIによって重要箇所だけを抜き出すこともできます。議事録の作成やお客様への報告書の作成にも使われます。
頻出単語を示す機能もあります。頻出単語からお客様がよく使うキーワードや困りごとに気づくことができます。
ミーテルはさまざまなサービスと連携しています。
Salesforceと連携すると、電話やオンライン商談が終わると自動でSalesforce内に情報が格納され、音声の再生、応対評価、文字起こしデータの確認などができます。
Slackと連携すると、通話履歴や会議履歴の音声データをURLでグループに共有できます。アポイントが取れたタイミング、クレームが発生したタイミングで、自動通知を送ることも可能です。各担当者のSlackグループに連携しておくと、応対メモが入ったらすぐに情報を共有できます。
最後に、クレーム対応の効率化について紹介します。クレームが発生した際の音声データに、しおり機能を使って登録すると、後から該当箇所のみ確認できます。文字起こしデータと合わせて、事実確認と原因究明をすることができ、再発防止策の検討に役立ちます。クレーム案件を一括で管理でき、社内展開も可能です。
お客様の情報を正しく社内展開するには、お客様との会話の一次情報を記録することが重要です。そのためにはSFAだけでなく、CTIやオンライン面談ツールを合わせて使うことが有効です。このようなサービスを導入すると、情報を記録するだけでなく、お客様の応対評価にも活用できます。社内の営業活動を見える化し、部門間連携を強化していきましょう。
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