セミナーレポート
BeMARKEは2023年7月25日、「マーケティング施策に戦略視点をプラスする思考法と改善策」と題したセミナーを開催しました。本セミナーは、マーケティング担当者が施策の問題点を整理し、改善の方針を決定できるようになることを目的に、マーケティング支援実績の豊富な企業様にマーケティング戦略及び施策ごとの振り返りや改善のポイントを紹介いただいています。
イントリックス株式会社 セールス&マーケティングディレクターの西原杏子氏には、「マーケティング戦略を見直すために必要な3つの要素」と題して、マーケティング戦略を見直す方法について解説いただきました。
【登壇者】
西原 杏子氏(イントリックス株式会社 セールス&マーケティングディレクター)
デジタルマーケティングのコンサルタントとして、大手製造業を中心としたBtoB企業のマーケティング支援に数多く携わる。2019年よりビジネスディベロップメント部門のマネージャとして、マーケティング・セールスの責任者。 趣味は鉄道、温泉、お酒、ガーデニング。
マーケティング戦略を見直すために必要な3つの要素について解説します。
まずはじめに、「顧客の課題・ニーズ」を疑うということについて解説します。
デジタルマーケティングの計画を立てる時、最初にペルソナを作成すると思います。
マーケティング担当者はお客さまとの接点が少ないことから、ペルソナ作成の際は、営業から顧客の課題やイメージを聞き取り参考にすることも多いでしょう。
しかし営業から伝え聞いたお客様の課題やニーズは本当に合っているのでしょうか?
実際には本来の課題やニーズと大きなずれがある場合も少なくなく、その場合は施策の精度も落ちてしまう可能性があるのです。
ギャップが生じる理由の1つ目は、お客様と営業が接する段階でニーズの特定・優先順位付けは完了しており、お客様の潜在ニーズを発掘する機会を持てないためです。
アメリカCEBとGoogleの共同調査によると、BtoBのお客様は営業と接点を持つ段階でプロセスの57%を終えることが分かっています。
プロセスの57%は比較・検討に入る前の段階にあたります。この段階で営業と商談をしたとき、既にお客様の方でニーズの特定・優先付けは完了しており、要求仕様が明確になっています。そのため、お客様の本質的な課題やニーズについて営業が聞く機会が少なくなります。
ギャップが生じる2つ目の理由は、BtoBの商取引においては購買意思決定に関わる人数が多いことが挙げられます。