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展示会の事前準備で必要なことは?出展までのスケジュールを徹底解説!

展示会の事前準備で必要なことは?出展までのスケジュールを徹底解説!

展示会への出展を計画しているが「何をどのように準備したら良いのか分からない」「スケジュールの立て方を知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。展示会の準備はさまざまな手配を行わねばならず、成果につなげるためには十分な準備期間とスケジュール管理が必要です。

本記事では、展示会出展の目的設定から前日の準備まで、スケジュールに沿ってやるべきことを解説します。ぜひ展示会準備の計画立ての参考にしてください。

目次

1.展示会に向けた準備のステップ

展示会は、企業が運営会社に出展料を支払い参加するイベントです。展示会の出展準備は社内外の調整を含め、さまざまな工程があるため、全体を把握してスケジュールを立て進めていく必要があります。

出展の決定から前日の準備まで、やるべきことを大きく5つのステップで紹介します。

BtoB企業の展示会出展は、名刺交換によって多くの新規見込み顧客の獲得が期待できます。最大限の成果を出すために、しっかりと準備をして臨みましょう。

本記事で紹介する時期はあくまで実行の目安です。出展する展示会に合わせて調整してください。

2.出展の全体方針を決定【4~12カ月前】

展示会の4~12カ月前には、以下の項目を進めます。

  • 展示会出展の目的・目標を設定する
  • 展示会の選定と申し込みをする
  • 制作物を決める
  • 概算予算の作成・承認を得る

展示会出展の目的・目標を設定する

展示会出展の目的を明確にし、その目的を達成するための目標数値を設定します。

出展の目的は一般的に新規見込み顧客の獲得、商談創出、受注獲得、認知度の向上です。1つに決めることが難しい場合は、特に注力するものを決めます。目的に合わせて、名刺の獲得数、商談・受注件数などの目標数値を設定しましょう。

展示会の選定と申し込みをする

出展する展示会の選定の大事なポイントは2つです。1つは自社のサービス・製品に合ったテーマであるか、もう1つは出展目的に合っているかどうかです。他にも開催時期や予算も考慮しながら、展示会を選定しましょう。

展示会の申し込みは、開催の6~12カ月前から開始されます。ブースの場所を申し込み時に先着で選べる場合もあるため、出展する展示会が決まったら早めの申し込みがおすすめです。

制作物を決める

展示会の会場で必要となる制作物を決めます。展示ブース、パンフレット、ノベルティ、名刺、ユニフォーム、動画などです。制作に時間のかかるもの、外部に制作依頼をする制作物をリストアップしておきましょう。

概算予算の作成・承認を得る

展示会にかかる大きな費用は出展費、人件費、制作費です。制作物や必要物品の概算コストを調べて、予算表を作成しましょう。概算コスト、予算表が作成できたら、社内の承認を得ます。

ワンポイントアドバイス

展示会出展は大型プロジェクトのため、こまめに決済者の承認を得ておくことが重要です。工程が進んでから大きな修正・変更が生じると、リカバリーが難しくなります。

3.展示ブースの計画・準備【3~4カ月前】

展示会3~4カ月前には、以下の項目を進めます。

  • ブースのデザインを決める
  • 制作物を手配する
  • 各種書類の準備・提出をする

ブースのデザインを決める

展示ブースのデザインを決めるために、ブースの運営方法を計画します。展示する製品、プレゼンやデモンストレーションの実施の有無でお客様の対応方法、導線を設計し、それに沿ってブースのデザインを決めましょう。パネルやのぼりなどの装飾物で来場者の目を引くことも効果的です。

ブースの施工を業者に依頼する場合は、業者の選定と手配も行います。デザインから施工、撤収までワンストップで依頼できる会社もあるため、ブースの規模や予算に応じてどこまで外注するか検討しましょう。

制作物を手配する

制作物の発注先を検討し要望や予算を伝え、発注作業を行います。社内確認や修正対応の時間も想定し、ブース、パンフレットや動画など制作に時間がかかるものは早めに進めましょう。

ブースの装飾物と配布物を同じテイストにすると統一感が出ます。発注先が複数になる場合は事前にデザインの方向性を伝えておくと良いでしょう。

各種書類の準備・提出をする

展示会主催者から指示された登録や申請を期日までに行います。出展料の振込、貸出什器の利用申請など、申請の期日が異なる場合があるため、提出漏れがないようにスケジュール確認をしましょう。

ワンポイントアドバイス

展示会によって異なりますが、主催者からの連絡は早い場合3カ月前から始まります。メールでの連絡が多いため、主催者からのメールを見逃さないように気をつけましょう。

4.必要物品の手配と計画立て【2~3カ月前】

展示会2~3か月前には、以下の項目を進めます。

  • 参加スタッフの決定とスケジュールを調整する
  • ブースへの集客と営業方針を決める
  • 制作物を進める

参加スタッフの決定とスケジュール調整する

準備と運営に携わるスタッフをアサインします。いつまでに「誰が」「何をやるのか」を工程表に落とし込み、スケジュールを調整しましょう。

展示会当日の運営スタッフの人数は、展示ブースの小間数に応じて決めます。目安は1小間あたり1人以上で、4小間であれば4~6人配置できると、休憩や他のブースを見学する時間がとりやすくなります。社内スタッフだけでは必要人数が確保できない場合、外部のコンパニオン、運営スタッフを手配します。

ブースへの集客と営業方針を決める

会期中のブースへの集客、営業方針を事前に決めます。

ブース前を通った来場者に来訪してもらうための人員配置、パンフレットやパネルなどの使い方を決めます。ブースの人員配置は、来場者に立ち寄りにくさを感じさせないよう、外からブース内が見渡せるかつ、閑散としないよう工夫しましょう。

見込み顧客の獲得から商談へつなげる流れ、商談から制約や事後商談につなげる流れについての基本の型を作成しておくと、スムーズな案内ができます。

ワンポイントアドバイス

配布するパンフレットなどの資料は来場者が持ち帰り、会期後にアクションを引き出すツールにもなります。営業方針を明確にすることで、ブースや配布物などの制作物の詳細を詰めるための判断基準ができます。

制作物を進める

営業方針とズレがないよう各種制作物の詳細を詰め、完成に向けて進めます。説明資料、パンフレットなどの配布物は1カ月前には印刷会社に入稿できるように作成します。入稿前にデザインや商品仕様など情報の社内確認も行いましょう。

5.事前の集客と設営準備【1カ月前】

展示会1カ月前には、以下の項目を進めます。

  • 顧客に案内状を送る
  • 搬入・搬出の手配をする
  • アンケート・マニュアルを準備する
  • 当日スタッフの打ち合わせ・トレーニングを行う
  • 交通・宿泊を手配する
  • 搬入準備をする
  • 後追いを設計する

顧客に案内状を送る

自社の顧客に展示ブースに来てもらえるよう、顧客リストにメールやDMで案内状を送ります。事前に案内することで、立ち寄ってもらえる可能性が高くなります。

Webサイト、プレスリリース、SNSでの出展情報の発信は、既存顧客以外にも告知できるためおすすめです。

搬入・搬出の手配をする

搬入日までに会場に荷物が届くよう搬入・搬出の手配を行います。日程、搬入する備品の量が決まり次第、早めに手配をしましょう。また、搬出のための送り状を事前に準備しておくと、展示会終了後に速やかに搬出できます。

アンケート・マニュアルを準備する

会期中にブースに来訪したお客様に記入してもらうためのアンケートを準備します。名前、連絡先などの基本情報に加え、興味を持ったポイント、希望の対応など記載してもらい、会期後のアプローチにつなげます。紙媒体の場合は、記入するためのボード、筆記用具の準備も必要です。

マニュアルは当日のタイムテーブル、スタッフの役割分担など当日スタッフへの共有事項をまとめます。常に複数人のスタッフがブースにいるよう、休憩時間や他のブースへの見学時間などのシフトを決めます。

当日スタッフとの打ち合わせ・トレーニングを行う

当日スタッフのキックオフ、営業のロールプレイングを設定、実施します。本番環境を想定して、来場者に足を止めてもらい名刺交換へと進める流れ、デモの流れを説明し、トレーニングしましょう。

お客様からの質問への受け答えなどのマニュアルを作成しておくとスムーズに案内ができ、誰が対応しても同じ成果が期待できます。

ワンポイントアドバイス

当日スタッフのキックオフを事前に行うことをおすすめします。顔合わせし、展示会出展の目的・目標を共有することで、スタッフのモチベーションや結束力アップにつながります。

交通・宿泊を手配する

展示会に参加するスタッフが決まったら、飛行機や新幹線、宿泊地の手配をしましょう。飛行機や宿泊はキャンセル料が発生するプランがあるため、事前に確認しましょう。新幹線の予約は1カ月前からです。

会場近くのホテルは満室になりがちなので、早めの予約がおすすめです。

搬入準備をする

当日のブース運営に必要な備品のチェックを行います。事前にチェックリストを作成し、忘れ物がないよう確認しながら進めます。外注した制作物は事前に受け取るのか、会場納品にするのか搬入方法も確認します。

宅配便を利用する際は、荷物がブースではなく専用窓口に届くよう指定する場合もあるため、受け取り場所の確認も行いましょう。

後追いを設計する

展示会での来訪者が商談につながるかどうかは、展示会での対応はもちろんですが開催後のフォローも重要です。お礼の連絡、次回のイベントのご案内などアプローチを続けます。

展示会終了後すぐ次のアプローチができるよう、事前に後追いの計画を立てておきましょう。

6.出展ブースの設営と最終確認【前日】

展示会前日には、以下の項目を進めます。

  • 出展ブースの設営をする
  • 準備物・当日の動きを最終確認する

出展ブースの設営をする

出展ブースの設営、装飾物や配布物、商品の設置を行います。設営・装飾を業者に依頼した場合でも、前日に出来上がりを確認しましょう。設営ができたら来場者目線でブースを見渡し、展示物は見やすいか、ブースに入りやすいかどうかを確認し、必要があれば修正します。

当日に使用する電子機器やネット環境、機材のテストも行います。事前に確認しておくことで、トラブルがあった場合の対応が間に合います。BGMや動画の動作確認も行いましょう。

準備物・当日の動きを最終確認する

備品や配布物など必要なものがすべてそろっているか最終確認をします。また、ブースが完成したらスタッフの配置や導線も確認し、当日の参加メンバーに共有しましょう。

7.まとめ

展示会を成功させるためには、念入りな事前準備が必要です。出展の計画から展示会当日までの期間が長く、やるべきことが多岐にわたるため、準備の流れを工程表に落とし込み漏れがないよう進めましょう。

展示会出展は大量のリードを獲得できる機会です。成果が得られるよう本記事を参考にしっかりと準備をし、展示会の成功につなげましょう。

展示会で得たリードから商談へつなげるためには、展示会終了後の見込み顧客へのフォローアップも重要です。展示会の成果を最大化できるよう、こちらの資料もご活用ください。

ダウンロード資料:「まだまだ客」へのフォローが売上を左右する! 展示会後追いの基本原則と実践方法


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この記事を書いた人

縫村 優
縫村 優 | ライター

サイエンス分野から一転、BtoBマーケティングの世界へ。BeMARKE編集部でコンテンツ制作を担当。読者が実践的な知識を得られるコンテンツを提供するため、BtoBマーケティングに携わる人たちの声に耳を傾けている。

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