インタビュー
BtoB企業のマーケティング担当者に、これまでのキャリアや仕事のやりがいについてインタビューする連載企画「マーケのキャリア」。今回は、「まこりーぬ」でお馴染みの、株式会社LIGのインハウスマーケティング部マネージャー・齊藤麻子さんにお話を伺いました。
齊藤さんは、新卒で人材・採用コンサルティング会社に入社し、法人営業や新規事業の運営、広報・マーケティングなどを経験後、「マーケティングをキャリアの軸にしたい」と株式会社LIGに入社。LIGブログでの取材活動が認められ、2021年12月にはマネージャーに昇格、2023年1月からはLIGブログの編集長を務めています。著名人としてマーケ界隈での活躍が目立つ一方で、社内でチームマネジメントの仕事の比重も高いという齊藤さんに、これまでのキャリアや仕事のやりがいを語っていただきました。
株式会社LIG インハウスマーケティング部 マネージャー
LIGブログ編集長
1992年生まれ。2014年九州大学芸術工学部卒業後に採用コンサルティング会社へ新卒入社。法人営業から新規事業推進、マーケティング業務に従事したのち、2018年にLIGへ。2021年にマネージャー、2023年にLIGブログ編集長に就任し、現在は自社のマーケティング、オウンドメディア運営に携わる。副業ではライターとして活動中。あだ名は「まこりーぬ」。Twitter:@makosaito214
——大学時代は芸術工学部に所属されていました。今のマーケティングの業務に生きている部分はありますか。
私が在籍していた芸術工学部は、マーケティングの「マ」の字も出てこない学部です(笑)。
ただ、マーケティングの仕事はクリエイティブに関わる機会が非常に多いので、クリエイティブ業務に対する理解があるのはデザイナーと協業する意味ですごく役に立っていると思います。
また、完璧とは言えませんが「これは違和感あるからこうしたほうがいい」とクリエイティブの良し悪しを言葉にできるのも、大学で学んできた経験があったからだと思います。
ちなみに、LIGはクリエイティブに厳しいので非デザイナーが何かを作ることは全くないですが、前職でマーケティングをやっていたときは、チラシやバナーであれば自分で作っていましたね。
——新卒で入社した会社では、マーケティング以外に営業も経験されていましたよね。
当時は完全にアウトバウンド営業で、「新卒採用で何か困っていることはありませんか」と電話をかけて、採用コンサルや採用サイト制作などの採用支援に関わるものを自分で売っていくスタイルでした。とにかく行動量が求められる仕事なので、頭でっかちな私は初受注も同期で一番遅かった。全然才能がなかったので、入社から半年ぐらい経過した頃、見かねた上司が「新規事業の手伝いをやらないか」と声をかけてくれました。そこから少しずつ業務内容がシフトしていきましたね。
新卒3年目には、「これからはインバウンドだ」と社長の号令のもと発足したばかりのマーケティングチームにも加わりました。そこで全社を巻き込みながら情報発信していく業務を通じて、「会社にとって多少なりとも役に立てているな」と自分の価値を見出すこともできましたし、マーケティングに興味を持つことができました。
——LIGに入社したきっかけを教えてください。
前職の経験から、マーケティングを自分のキャリアの「縦の軸」にしたいなと思い、もう少し大きな予算で事業を動かしたり、マーケティングをしっかりとやっているところで経験を積みたいと26歳でLIGへの転職を決めました。
——LIG入社当初はどのような仕事をしていましたか。
最初はお客様の広告運用業務がメインで、空いた時間で自社のマーケティング業務を担っていました。でも頼まれたら何でもやってしまうような性格もあり、徐々にインハウス業務の比重のほうが大きくなっていきましたね。
——LIGブログに関わる転機が訪れたのは。
上司の指示で取材記事を書いたことがきっかけです。「社外のマーケターにいろいろ教えてもらおう」と、先輩マーケターに取材をし始めたんです。業界の大ベテランとなるとマーケター=経営者であることも多く、経営に関するお話を聞く機会も増えていきました。
取材は知識を深めるだけでなく、私のキャリアにとってとても大きな転機になりました。
みなさんの生きざまがシンプルにかっこいいなって思っていて、自分はそうなれないかもしれないけれども、その人たちのサポートができるぐらいのレベルにはいきたいなと思うようになりました。
——取材の際に心がけていることはありますか。
「自分が聞きたいことを聞くこと」を大事にしています。自分が介在する価値を出さないと、お忙しい先輩方にわざわざ取材のお時間をいただく意味がないと思っているんですよ。
それに、「私が聞きたい」「私が持って帰りたい」と強く意識してやっていたら、結果として自分に近い境遇の人たちに共感してもらいやすい内容になったのを後から気づけました。
——マーケターにとって、取材は得るものがたくさんありそうですね。
マーケターとして「コンテンツを作る」というスキルを磨くにも、キャリアを積み重ねてレベルアップしたいという人にも、取材はおすすめです。ただ、人の時間を奪う仕事なので、その自覚は持つべきだと思います。手あたり次第やるのではなく、聞きたい人がいるなら積極的にアポをとれば良い、という感覚ですね。
参考:齊藤さんが執筆した記事
「記事タイトル作り」が苦手→得意になる方法と、2022年に書いた記事一覧
——2021年の12月からマネージャーも任されています。
ずっと1人チームで自由にプレイする立場だったので、「マネジメントなんて無理」と思っていましたが、意外と楽しんでやっています。
マネージャーの仕事の1つに査定があります。一緒に働く人の給料を決めるのに、分からないとか得意じゃないなんて言ってられません。もっといいマネージャーになるために必要なことって、2個目ぐらいの上のレイヤーで物事を考えなければ無理なんですよね。なので、今目の前にあることを一生懸命やろうとやればするほど経営者に近づかなければいけない。だから、マネージャーの仕事を全うするためにも、経営者を目指すと決めました。
——仕事のやりがいについて教えてください。
「できることが増える」ことがやりがい、でしょうか。そうすれば自分の視座や年収もあがるし、もっといいマネージャーになれたらメンバーの仕事のやりがいや年収も増えるし、そうやって働いていたら仲間も増えるし、なにより人生に退屈しません。会社のエンジンとも呼べるマーケティング部門だからこそ、適度なプレッシャーと厳しいフィードバックが得られるのも魅力的に感じます。
——ありがとうございました。
09:20 早起きがどうも苦手で……
09:45 自宅を出発し全力でチャリを飛ばす
09:55 出勤(週3出社)
10:00 始業、毎週水曜午前はチーム全員でもくもくタイム
12:00 チーム定例MTG、各事業部とのマーケ定例MTG、いろんなMTG
15:30 「あら気づけばこんな時間」と急いで昼食を食べる
16:00 Slack返信などの細かなタスクを
17:00 いろんなMTG、たまに面接
19:00 いったん退勤
19:30 いったん乾杯
〜飲みながらパソコンと向き合いあれこれ
00:00 ジャンププラスで漫画を読む
〜まだ飲みながらパソコンと向き合いあれこれ、気が向いたら就寝
株式会社LIG
事業内容:コンサルティング、Webサイト制作、システム開発・アプリ開発、マーケティング支援、Webクリエイタースクール「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」運営、アート事業など。有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-307560
本社所在地:〒111-0056 東京都台東区小島2-20-11
設立年:2007年6月
代表:代表取締役社長CEO / 大山 智弘
従業員数:223名(2022年12月1日時点 連結)
https://liginc.co.jp/
【取材・執筆:BeMARKE編集部、撮影:細野瑠衣】