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DSR(デジタルセールスルーム)とは?機能と価値、SFAとの違いや運用方法、成功事例を解説

DSR(デジタルセールスルーム)とは?機能と価値、SFAとの違いや運用方法、成功事例を解説

皆さんは、最新のセールステックDSR「Digital Sales Room(デジタルセールスルーム)」をご存じでしょうか? BtoBのセールス現場でDSRが注目されているのは、営業生産性や営業マネジメントのレベルの向上に加え、取引を拡大させる成功確率を大きく高めることが期待できるためです。
本記事では、DSRの特徴や役割、機能や成功事例などを解説します。

目次

DSR(デジタルセールスルーム)とは? DSRの意味と役割

DSRとは:略称と意味

DSRとは「Digital Sales Room(デジタルセールスルーム)」の略称です。Room(ルーム)ってなんだ? と思う人もいるかもしれませんが、要は「サイト」です。
DSRは営業担当がお客様を招待する専用のサイトを構築できるんですね。その中で取引を進めるための情報を整理する、セールスが作るセールスのためのサイト。これがDSRです。

ただ、意味合いとしてDSRは単なる営業サイトではありません。このDSRはお客様にもアクセスいただきます。お客様が社内で稟議・申請を上げて発注するまでのプロセスや、ロジックを掲載します。つまり、お客様のための意思決定を支えるサイトでもあるのです。

DSR(デジタルセールスルーム)でできることはお客様の購買支援

Digital Sales(デジタルセールス)するということは、デジタル上の空間でセールス情報が載っているということです。お客様からすればセールスの受け手となるので「バイイング(購買)」のための情報が載っています。
お客様起点で購買に必要で重要な論点や情報が掲載されているものがDSRです。営業担当だけがアクセスするのではなく、顧客にもアクセスしていただくという点がセールステックとして新しい手法です。

DSRによってできることは、お客様に対してデジタルでの情報をリッチに提供することができるので、お客様側の購買が楽になる。具体的には、サイトなので営業に聞かなくても何度もアクセスしにいって情報を取りにいくことができるんです。

BtoB営業ですと、何か新しい製品の導入や取引をするときに、お客様側でもしっかりロジックを組み立てて社内を納得させていく必要があります。
そのロジックの参考となるものは、製品資料や提案資料、加えて担当営業のアドバイスをベースにして作るケースが多いと思われますが、セールス側がDSR上で資料やアドバイス、さらにプラスαの情報を掲載していれば、お客様が参考にできる情報のレベルは飛躍的に上がります。

その結果、お客様の社内の説明力が上がり、お客様側の稟議・申請の成功確率=営業から見たときの受注率が高まるのです。

DSR(デジタルセールスルーム)でお客様向けの提案がDB化される

また、DSR上にはお客様からのヒアリング、ディスカッション、提案、双方が進めてきたタスクなどを掲載ができます。これはSFAに残したくてもなかなか残せなかった顧客の定性情報が蓄積される基盤となります。SFAにDSRのお客様ごとのサイトURLを貼っておけば、お客様はどんな課題を持っていて、どんな提案をしており、ネクストアクションは何なのかといった定性的な情報が分かるようになります。

それはすなわち、お客様からのヒアリングや提案、ネクストアクションがデータベース(DB)化していく、という社内共有の観点でも効果があります。

DSR(デジタルセールスルーム)で顧客のステークホルダーを調整する

DSRは米国が発祥の地ですが、背景にあるのは、「企業における購買活動の難しさ」への着眼です。みなさんは自社で大きな取引の投資をしたことはありますでしょうか? 私は前職の企画職時代にある外資系のITツールの導入を企画したことがあります。その際は、役員数名、事業責任者、部長数名、企画職と会議室に集まり、「私はなぜこの取り組みをすべきか」を資料とともに説明しました。

しかし、これがまた大変で、人によって意見が違うし、反論もある。しっかり情報やロジックを詰めきって、各人の考えも考慮して、適切な段取りで社内提案をしなければ話は進められません。米国ではBtoBの購買においては平均11名近くの人が関わるといわれています。これはすなわち、その人数の分「壁」になりうる要素があるということです。

DSRは、顧客の社内提案をエンパワーメントするという観点があります。すなわち、関係者の意見を調整して話を進めるためのロジック、段取りを営業が顧客とともに考えて渡していくことがBtoB取引の成功確率を上げる。購買担当者側の支援=「バイヤーイネーブルメント」という考えです。
つまりDSRは営業が使うツールではあるのですが、顧客も使えるツールである。顧客も社内説明に苦心するんだ、という前提を持っておくと理解が深まると思います。

購買支援のために営業が実施すべきこと|DSR(デジタルセールスルーム)とは?機能と価値、SFAとの違いや運用方法、成功事例を解説・BeMARKE(ビーマーケ)

DSR(デジタルセールスルーム)の基本機能

DSRにはどのような機能があるかを解説します。

サイト構築機能

まずDSRはサイトシステムですので、サイト構築の機能があります。
サイトのロゴ掲載、色の変更、コンテンツ掲載といった、基本的なサイトのデザイン機能が実装されています。
DSRの目的は営業としての情報共有ですので、サイトデザインの機能自体はシンプルなものです。

タスク管理機能

DSRはタスク管理機能があるのですが、海外製品ですと「Mutual Action Plans」といった表現をしています。Mutualは「双方向」という意味でして、営業担当だけのタスクを管理するのではなく、営業担当と顧客の双方のタスクを管理します。
BtoB取引においては、何か案件を進めるプロセスは「双方向」です。営業だけで完結するものではなく、お客様自身も、しかるべき稟議や社内提案のプロセスにのっとり、関係各社を説得していかなければなりません。

冒頭の解説の通り、お客様がつまずくのはこの購買を進める過程における社内説得の失敗です。お客様の購買、新しい取り組みの成功確率を上げるために、営業が適切なタスクを双方で設定し、期日を設定しながら前に進めるのです。openpageでは「営業とはプロジェクトマネジメントである」とよくお話しています。

お客様からすれば新しい投資は「プロジェクト(新しい取り組みのための業務)」です。プロジェクトには不確定要素、不安がつきものなので、どのようなプロセスで進めるべきかをガイドすることで成功させる。DSRはそのためのタスク管理機能が付いています。
商談終了後のネクストアクションとして、タスク管理機能でお客様にタスクを渡し、次の商談までの進捗を確認する用途で活用されます。

資料共有機能

DSRには資料共有の機能が付いています。製品資料、提案資料、振り返り資料、QAシート、ヒアリングシートなどを共有できます。テンプレートやライブラリ機能でお客様に渡す可能性のある資料をストックしておき、いつでも引き出して共有するような機能もあります。
またDSR上の動きを計測できるため、資料を共有したときに誰がダウンロードして読んでくださっているのかの計測も可能です。

コンテンツ管理機能

DSRはお客様に対してのコンテンツ提供が主な機能です。コンテンツというと定義は広いのですが、テキスト、画像、資料、動画などリッチな表現でWeb上のコンテンツを作成できます。今後は、提案資料を作成する代わりにDSRで提案を作成するようになるでしょう。
コンテンツのフォーマットはさておき、お客様が購買を進めやすくするためのロジックや知識を充実させて共有することがDSRの一番の価値となります。

お客様の現状の課題や戦略、取り組みたいと思っている施策、ニーズに対して自社製品が応えられる価値、自社の製品の具体的な取り組み方法、自社と取り組んだ場合の価値やROI、どのくらいのスケジュールで価値が出せるのか……。このようなお客様が取引の意思決定をするために必要な情報を掲載する機能として活用されます。

商談では、DSRのコンテンツ管理の画面を見せながら、入力をしながら話を進めていく新しいスタイルも実現できます。
例えば、DSR上でアジェンダを作成し、事前にヒアリングしたいことや提案したいこと、ゴールとしたいことをセットアップ。事前に作り込んだ構成に沿ってお客様にはDSRの画面を見せながら解説し、本日のゴールに向けて建設的なディスカッションを進める、といった新しいセールススタイルです。

レポート機能

DSRには、顧客ごとにどの担当者がお渡ししたサイトに訪れているのかを計測するレポート機能があります。
どの会社の誰が、いつどういうものをどれだけ視聴しているのか。このレポートをリアルタイムに計測することで、顧客がどれだけ商談に対して真剣に向き合っているのか。顧客の中の誰が検討を進めているのか。顧客は自社のどこに興味を持っているのか。いつ頃意識をしているのか。といった顧客の状況を見える化ができます。
「検討します」とお客様がコメントしたその後に、本当に検討しているのか? 誰がどれだけ深く検討しているのか? がデータから分析することができるのです。

SFAとDSR(デジタルセールスルーム)との違い

SFAとDSR(デジタルセールスルーム)の比較

SFAとDSR(デジタルセールスルーム)の比較|DSR(デジタルセールスルーム)とは?機能と価値、SFAとの違いや運用方法、成功事例を解説・BeMARKE(ビーマーケ)

SFAとDSRの大きな違いは、情報を誰向けに見せることを想定しているかです。
SFAはSales Force Automationの略称で、営業担当の能力を発揮するための情報を掲載するツールです。営業担当ごとに、いまどの会社と商談しており、その会社の現状の商談ステータスはどこまで進んでいるのか。何の製品をいくらで提案していて、月の商談件数は何件して、何件受注しているのか。このような、企業の中で確認したい営業状況の可視化や分析に活用します。
SFAでできることは、このSFAに掲載された情報をもとにしたレポートを見ることで、目標未達の要因を分析したり、改善点をフィードバックしたりして、営業担当に最適なアクションを取れるようにするヒントを出すことです。つまり、対社内に見せるツールです。

一方のDSRは、顧客が社内に交渉する上での、必要なロジックが記された議事録を共有することや、お客様が次のステップに無事進められるようタスクを案内するなど、顧客の担当者が無事に購買成功するための情報を掲載するツールです。
DSRの情報は主に顧客が閲覧して、DSRの情報をもとに、社内でどうアクションを取れば良いのか、誰にどんな説明をして稟議を成功させるのか、失敗なく動けるようなガイドをします。つまり、(セールス側から見て)対社外に見せるツールです。

SFAとDSR(デジタルセールスルーム)の向き・不向き

SFAは詳細の数値レポートや、分かりやすいダッシュボードを出せる定量分析を得意としています。業績の予実管理や、経営企画による業績モニタリングなどで強く機能するでしょう。また、SFAに掲載されたセールス用のKPIを見て、どの会社にどうアプローチすべきかのサジェストをする機能も果たします。
しかし、顧客の承認プロセスを踏まえた詳細なアカウントプランの計画立てや、顧客の課題に即したソリューション提案をどのようにしていくかなど、数万字に及ぶ詳細の定性情報の管理は向いておりません。

DSRは、顧客の課題や目標の整理、取り組む理由や取り組み方の情報提供など、定性情報の提供を得意としており、顧客との取引を成約させるためのロジックやアクションの組み立てで機能していきます。また、営業担当だけでなくお客様がDSRを見ることで、お客様自身がどのように社内に交渉していけば良いかが示され、お客様側の社内調整力を強めます。
しかし、SFAのように詳細な商談パイプライン分析や、予実管理用の詳細なデータを出すといった定量分析の機能は向いておりません。

SFAとDSR(デジタルセールスルーム)の使い分け

説明の通りSFAとDSRには向き・不向きがあります。営業活動で成果を出すには、それぞれ持っているデータや利用シーンが異なるため、2つのツールを使い分けて管理します。
まずSFAはDSRのように詳細な定性データを持つことを得意としていないため、営業部門の定量データや営業担当のネクストアクションの管理に用います。
DSRはSFAのような定量データを持つことが得意ではないため、顧客に共有している定性データ、顧客担当のネクストアクション管理に用います。
つまり、定性と定量、営業担当と顧客担当との軸でそれぞれ持つデータと管理する方法を使い分けるのです、

SFAとDSRの違い|DSR(デジタルセールスルーム)とは?機能と価値、SFAとの違いや運用方法、成功事例を解説・BeMARKE(ビーマーケ)

SFAとDSR(デジタルセールスルーム)のツール連携、データ連携

SFAとDSRは、どちらか一方を使うというものではなく、対になるものです。
そのため、SFAとDSRのツールを連携させて、データを統合することで、営業部門が持つデータをよりリッチにできます。
短期的には、SFAの顧客ごとのデータ項目に、DSRの顧客ごとのページリンクを掲載するだけで、顧客の定量情報と定性情報をより多く把握できます。
中長期的には、SFAの中にDSRの情報を取り入れる(連携アプリやIPaaSを利用する)ことで、SFAでのより多面的なレポート・ダッシュボードの構築が可能になります。

DSR(デジタルセールスルーム)を導入するメリット

DSR(デジタルセールスルーム)の導入効果

デジタルセールスルーム(DSR)の導入効果例|DSR(デジタルセールスルーム)とは?機能と価値、SFAとの違いや運用方法、成功事例を解説・BeMARKE(ビーマーケ)

まず、DSRが効果を発揮するのは商談のスピードアップです。営業活動とはBtoB取引の合意形成プロセスです。お互い何を目標にして、どういった取り組みにするのか。これを合意させて、会社間取引として意思決定をします。
DSRがあれば、双方の目標や取り組みの共有、合意形成をする上で必要なポイントやアクションの整理、複雑な関係者への説得、現状の進捗の確認といった営業行動が飛躍的に楽になります。

DSR導入効果で期待できること|DSR(デジタルセールスルーム)とは?機能と価値、SFAとの違いや運用方法、成功事例を解説・BeMARKE(ビーマーケ)

加えて、営業生産性の向上、営業マネジメントの型化、売上の拡大といった効果も見込めます。DSRは営業活動を進めていくためのタスクをお客様と管理し、お客様に対して進捗をプッシュする(通知する)ような機能があります。「あの件、どうなりましたか?」をDSRが代わりにやるんですね。これで営業生産性を高めます。

また、お客様に提供する提案の情報や、ヒアリング内容、用いる資料、提示するネクストアクションといったものをDSRでは型化ができます。これによって営業マネジメントのレベルを飛躍的に上げて、高い質の営業組織を作れます。

最後に売上の拡大です。DSRで顧客が意思決定するためのロジックとアクションを共通管理することによって、取引を成約させる、取引を拡大させる成功確率を大きく高めます。これによって取引を確実に成約させて売上を拡大させていくことができます。

DSRの選び方、導入失敗しないポイント

営業課題を明確にする

DSRに限らず、セールステックにはそれぞれの製品の得意不得意があります。
まず自社の営業課題を明確にして、その課題に合った製品を選びましょう。
営業課題の分類は、「営業数値」「営業組織、体制」「営業能力」などに分けられます。
営業数値であれば、商談化率、受注率、商談リードタイム、成約平均単価、アポ獲得数などの数値に分けられます。その数値を伸ばせるか、ポテンシャルがあるかを明確にしましょう。
また、営業体制や能力としては、提案力、製品知識、専門性、フォロー力、アカウントプランニング力(取引の絵を描く力)、段取り力などがあります。
営業組織としてどの能力が組織的に弱いのか。何に伸び余地があるのかを仮説として持っておくと良いでしょう。
その上で、「XXの数値を伸ばすため、XXの課題を解決するために、DSRをこう使う」、と整理されていれば、製品選びや導入後の取り組みがスムーズに進みます。

導入ROIを定める

営業課題を明確にした上で、ROIを定めましょう
ROIのI(インベストメント)は投資金額です。この取り組みに年間、月間でいくらまで投資すべきかを検討しましょう。

この検討にあたってはR(リターン)の明確化が欠かせません。例えば、R(リターン)として商談の提案力を高めて、成約率を3%向上させる。現状の月の売上は5,000万円である。とすると、5,150万円が取り組みによる成果目標です。とすると、ツール費用に月30万円、ツール利用のための人件費に月30万円の合計60万円を毎月支払い、その結果として月150万円の売上増加を狙える、とROIが明確になります。
R(リターン)としてどんな定量、定性効果を狙うのか。そのためのI(インベストメント)としていくらまでツール費用と人件費に割けるのか。自社の目標予算や組織状況を考えながら算出します。

費用対効果が見合うDSRベンダーを選ぶ

営業課題、導入ROIの検討を行った上で、これに適したDSRを選定します。
R(リターン)を高めるための機能や専門性、サポート力を持った会社なのか。R(リターン)が出るまで営業担当者が使ってもらえるツールなのかを見定めます。
また|(インベストメント)として、適切なツール価格なのか。人件費の負担はいくらくらいかかりそうか、学習コストはどのくらいになりそうか、など見積もります。

I(インベストメント)としての価格は高ければ良い、安ければ良いというものではありません。費用対効果として、投資金額に相応の結果を出せる製品や会社なのかが重要です。
費用対効果を明言しない、費用対効果に向き合うための専門性が薄い、といったDSRのベンダーは避けましょう。

DSRの運用体制を整えている

DSRに限らず、セールステックの製品は一定の運用負担が発生します。どのような設定をしなければならないか、初期設定にどれだけの工数がかかるか、どんな機能があり学習コストはどれだけかかるか、必要となる掲載コンテンツは何か、オンボーディングまでにどれだけ期間がかかるか、オンボーディング後の運用工数は毎月どれだけ発生するか、などをDSRベンダーに確認をしながら見積もりましょう。

その上で、その運用ができる体制が自社にあるのか、ベンダーはどこをどれだけ手伝ってくれるのか、BPR先*はあるか、やる気のある社員は誰か、自社のどんなアセットが有効活用できるか、など運用の体制について考慮しましょう。
自社課題、導入ROI目標、ROIを出すためのベンダーの機能やサポート、運用のための自社体制がそろっていれば、DSRの選定~導入の成功確率が高まります。

※BPR:「Business Process Reengineering」の略。

DSR(デジタルセールスルーム)のおすすめ製品比較

openpage

openpageは2020年よりリリースされたDSRの老舗ツールです。大手企業、中小企業、ベンチャー企業と広い規模の企業に利用されています。分かりやすいUIと直感的な操作性で、従来ITツールを導入しない業種の顧客にも受け入れられており、小売・製造業・建設・介護・教育・物流・通販・サービス・商社といった業界においても利用されています。
新規営業に加え既存営業(=カスタマーサクセス工程)にも強く、現在は半々の比率で使われています。

こんな方におすすめ:
・従業員/顧客ともに分かりやすい操作感を求める企業
・新規営業と既存営業どちらも実施する企業

URL:https://www.openpage.jp/

DealPods

DealPodsは国産のSFAであるMazrica(旧Senses)を提供する株式会社マツリカによって2023年にリリースされた新しいDSRツールです。「エンタープライズセールステック」としてアカウントプランの作成や組織図の作成といった、大型商談を成功に導くための機能が実装されています。

こんな方におすすめ:
・エンタープライズ営業、大型商談に注力している企業
・SFAとセットで相談したい企業

URL:https://product-senses.mazrica.com/lp-enterprise-sales-dealpods-io

Aligned

Alignedは2021年にイスラエルで創業されたベンチャー企業であり、英語圏やヨーロッパ圏で利用されているDSRのツールを提供しています。営業活動のコラボレーションツールとして、Loom/Vimeo/YouTubeと連携したセールスコンテンツの掲載ができます。PLGのDSRのため日本からトライアル利用も可能です。

こんな方におすすめ:
・海外圏の営業活動でDSRを使いたい方
・豊富なデジタルコンテンツを使用している方

製品URL:https://alignedup.com/

Highspot

Highspotはセールスイネーブルメント、セールストレーニング、バイヤーエンゲージメント、デジタルセールスルームを実現できる総合セールステック製品です。Highspot は2012年創業され、現在は35億ドルの時価総額で評価される大型のベンチャー企業です。営業のコンテンツ管理、営業担当のコーチング、社内外に向けたコンテンツサイトなど、DSRに閉じない総合的な機能が実装されています。

こんな方におすすめ:
・セールスコンテンツを総合活用したい方
・米国の最先端のプロダクトに触れてみたい方

製品URL:https://www.highspot.com/

DSRの運用成功、利用定着のコツ

DSRの入力内容を明確にする

DSRは、お客様の購買を成功に導くためのロジック、専門情報、ROI、段取り、必要タスクなどを掲載していくものです。どんな内容をいつのタイミングで載せるのか、どこまでをテンプレートにしてどこまでを手入力するのか、マネジャーは入力内容をどうチェックするのか、など入力の内容や方法について明確にしましょう。
はじめはあれこれ盛り込みすぎず、実際に入力が滞らない情報量にとどめ、運用に慣れてきたら徐々に入力内容を増やすのがおすすめです。

商談でDSRを試しに使ってみる

DSRは新しいツールのため、まずは商談で実践経験を積んで慣れていくことが重要です。

  1. 商談前にDSR上にアジェンダや資料などを事前準備として載せておく
  2. 商談中にDSRの画面を開きながら、アジェンダに沿って質問や提案をメモしていく
  3. 商談後にDSRのタスクをお客様と営業担当の双方に割り当てる
  4. 次回の商談までに、お客様のDSRの視聴状況をレポートで見る

という商談前~商談後の一連の流れでDSRを用いた営業活動を実践して、何ができて何ができなかったか。どうすれば楽にできるか、改善できるかなどをトライ・アンド・エラーします。

マネジャーに管理で使ってもらう

DSRの特徴は、「お客様ごとに営業が行った提案内容が可視化される」「DSRで渡した提案や情報、タスクについてお客様が反応しているか分かる」という点になります。
営業マネジャーは、DSRの画面を見て、案件をマネジメントします。

  • こんな提案を行ったほうが良かったのではないか
  • このお客様にはこんなヒアリングもできていると良い
  • このお客様はこの課題もあるので次回に深掘りしてほしい
  • このお客様はXXの内容に関心があるのでフォローしてほしい
  • このお客様は過去に失注したが最近見に来ているので連絡すべきである

など、営業担当の提案内容や、顧客の興味具合をDSRでとらえながら、マネジャーが適切なフィードバックをすることで商談の質が上がります。

コンサルティングや研修も頼る

DSRはまだ自社に利用経験者がおらず、自社に合わせた成功ノウハウを持ち合わせていないことがほとんどです。
DSRベンダーが用意するコンサルティングサービスや研修の活用も視野に入れると良いでしょう。

  • DSRをどのように設定するか
  • 営業担当にDSRを使いこなしてもらうための教育をどうするのか
  • DSRでどんな提案を載せていけば受注率が高まるか
  • DSRを使った営業マネジメントはどう行うか
  • SFAとDSRをどのように使い分けるか

など、自社の疑問点や課題を整理した上で、コンサルティングや研修のカスタマイズをベンダーに依頼すれば、自社の営業組織に適した運用方法や知見を得ることができます。

DSR(デジタルセールスルーム)活用の成功事例

BtoBセールスでどのようにDSRを活用できるのか。DSRベンダーであるopenpageのケースを例にして説明します。

DSRで商談リードタイムの短縮

ある国内大手企業との商談において、商談後2週間で受注しました。こちらの大手企業の一般的な商談リードタイムは3~4カ月程度と伺っています。
このリードタイム短縮の秘訣は、DSRを活用し、お客様の主担当に対して、「顧客社内の決裁プロセス」や「決裁者の判断軸」を意識した製品導入のロジックを丁寧に明示したことです。

例えば、製品を導入すべき理由、どんな製品でなぜ自社に合っているのか、自社の課題認識、導入後にどんな体制でどんな運用をしていくのか、費用対効果をどう考えるかといった社内稟議のための提案です。
DSRを用いてお客様と共同でロジックを作ることで、決裁者の稟議スピードは飛躍的に高まり、高速の取引成約を実現しました。

DSRで受注率の向上

openpageはDSRで個社別の提案や段取りをデジタル管理することで、営業の受注率を高めています。受注率を高めるためには、顧客社内の稟議成功確率を高める必要があります。
このためには、製品導入にあたって顧客の関係者の把握、各関係者の意向や意思決定基準の整理、会社全社や部門内の方向性の理解があった上で、自社製品をどのように位置づけて提案するかが取引の成否を決めます。

DSR上で顧客と対話とヒアリングをしながらお客様企業内の情報を整理し、関係者それぞれに導入を推し進めるためのロジックを共有、調整していくことで顧客自身の社内説得力を高めることができます。(=バイヤーイネーブルメント)
これによって、あらゆる商談において建設的な稟議を実現し、営業組織全体の受注率を高めることに成功しています。

DSRで成功、失敗シナリオの共有

openpageでは定期的なMTGやSlackチャンネルにてDSRに掲載された案件情報の共有を行っています。
DSRではどんな提案や段取りによって取引が成功したのか、失敗したのか。営業担当と顧客担当それぞれのアクションの時系列をさかのぼって共有、確認できます。
定期的な営業MTGで、うまくいった取引の進め方、お客様からいただいているコメント、稟議成功の鍵となったロジックを共有し、分析することで、営業組織のPDCAを高い精度で回すことが可能です。
また、案件情報の引き継ぎや、上長にフォローをお願いするときの状況共有、営業会議での案件情報の詳細発表といったシーンにおいても、DSRの掲載情報が役に立ちます。

BeMARKE編集部より

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この記事を書いた人

藤島誓也
藤島誓也 | 株式会社openpage 代表取締役

株式会社ビズリーチにて当時日本でいち早くカスタマーサクセスチームの立ち上げを経験し、2018年株式会社openpageを設立。顧客取引のDXソリューション「openpage」を提供、米国流のカスタマーサクセスやセールステックについて最先端の情報を国内で広く啓蒙。著書に『実践カスタマーサクセス BtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー』(日経BP、2023年)。ITmedia ビジネスオンライン「新時代セールスの教科書」にて連載中。

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