セミナーレポート

約2年で獲得件数60倍!BtoBマーケの勝ちパターン(SEO編)【セミナーレポート】

約2年で獲得件数60倍!BtoBマーケの勝ちパターン(SEO編)【セミナーレポート】

BeMARKEはこのほど、「BtoB企業のための、2023年を見据えた最新リード獲得施策総まとめ」と題した5社共催セミナーを開催しました。本セミナーでは、BtoBビジネスにおけるWeb活用を先導してきた企業様を登壇者にお迎えして、それぞれSEO、広告運用、SNS活用、Web改善、ウェビナー運用の5つのテーマで語っていただきました。

株式会社ニュートラルワークス 取締役 CMO/デジタルマーケティング事業部管掌 石田哲也 氏には、「約2年で獲得件数60倍!BtoBマーケの勝ちパターン(SEO編)」と題して、BtoBビジネスにおけるリード獲得施策についてお悩みの方向けに、SEOを活用したBtoBマーケティングについて実際の事例を交えて紹介していただきました。

目次

【登壇者】
石田 哲也 氏(株式会社ニュートラルワークス 取締役 CMO/デジタルマーケティング事業部管掌)
中学生からアフィリエイターとして活動、高校卒業後に起業。 当時の日本では一般的ではなかったSEOに取り組み、Webマーケティングのみで事業を軌道に乗せる。 マーケティングをさらに学ぶため、株式会社オプトにてSEMコンサルタント、株式会社メタップスにて「Metaps」立ち上げ、ライブエイド株式会社にてアドネットワーク「AID」(フルスピード社に事業売却)の立ち上げを経験、前職のワンダープラネット株式会社ではゲームプロデューサー/Bizdevとして、ゲーム制作からマーケティングや事業開発まで幅広い業務を経験。 2018年に地元へ戻り、ニュートラルワークスに入社。

SEO支援の現場でよくある質問

石田 哲也 氏:弊社はデジタルマーケティングカンパニーとしてBtoBマーケティングにおけるリード獲得のための手段を支援しています。SEOを起点としたリード獲得について、次のような質問をいただくことが多くあります。

  • 大手企業のリードは獲得できるのか?
  • リード獲得にはリスティング広告だけで十分ではないのか?
  • リード獲得数は伸びるのか?

これらについて具体的な事例を交えながら説明します。

大手企業のリードは獲得できるのか?

弊社のSEO経由での直近1年のリード獲得例を挙げると、外資系企業、上場企業、世界的に有名なスタートアップ企業などからお問い合わせをいただいています。ここで紹介しているのは一部ですが、大手企業から非常に多くリードを取れています。

SEO経由でのリード獲得例

リード獲得にはリスティング広告だけで十分ではないのか?

弊社が実施した調査では、約7割のユーザーが広告を意識的に避けていることが分かります。

リスティング広告についての調査結果

Webで商材を検索するユーザーのなかには、リスティング広告の手法や掲載される場所を熟知しているリテラシーが高いユーザーも少なくありません。そのため、SEO施策によって獲得できるリードはリテラシーが高めのマーケティング担当者という印象です。

リード獲得数は伸びるのか?

弊社の事例を紹介すると、2020年7月にマーケティングを強化し、直近では450〜500件弱のリードを毎月獲得しています。

リード獲得数の推移

リード獲得のきっかけのうち、問い合わせページからが3〜4割で、残りの6割ほどが資料ダウンロードによるものです。ここ2年ほどでSEOを取り入れてマーケティングを行ってきた成果が出ています。

弊社が支援している企業も、SEO対策をしっかり行うことで確実にリード獲得を伸ばしています。BtoBマーケティングにおけるSEO施策は再現性の高い勝ちパターンであるといえるでしょう。

BtoBマーケでのSEOは再現性の高い有効なマーケティング手法

一過性のマーケティング手法だと、業種によっては手法が有効ではない場合や、それぞれに合わせた手法を作らないと成果がでない場合があります。多少のカスタマイズは必要ですが、SEOは再現性が高く、さまざまな業種、業態でリード獲得の成果が出ています。私が20年前に会社を経営していたときにも、すべてインバウンドでリードを獲得し、ビジネスを回していたので、過去から現在まで変わらず有効な手法だといえます。

SEO施策を行ってもリード獲得につながらないのはなぜ?

SEO施策を行っても成果につながらないとご相談いただくことも多くあります。ここではSEO施策で陥りがちな落とし穴を紹介します。

SEO施策についてよくあるご相談

リード獲得につなげるための課題

SEO施策を行ってもリード獲得につながらない具体的な課題は、「顕在層の流入がほとんどない」または「獲得率が低い」のどちらかです。基本的にはこの2つのどちらか、もしくは両方というパターンが多くあります。

具体的なSEO施策の課題を紹介します。顕在層の流入が少ない、お客様になる可能性が高い、確度の高いお客様が流入していない場合は「キーワード選定」が間違っています。次に、「上位表示ページ」が間違っている場合です。獲得率の低いページが上がっていたり、上位表示のページの獲得率、UI/UXがしっかりできていないという課題があります。

記事からのリード獲得の限界

ここで弊社の「PVは増えたが、成果につながっていない」という事例を紹介します。

流入のきっかけの割合

集客全体の8割が自然検索流入によるものです。一方、ユーザー比率で見ると9割が記事からの流入です。そして、8%、一部のユーザーが記事以外から流入しています。

これに対して、獲得数の比率を見ると、お問い合わせや資料ダウンロードによってリード獲得に至るのは、記事ページから入る場合が23%、記事以外からの場合が77%です。獲得の8割くらいが記事以外からコンバージョン獲得につながっています。

記事からとそれ以外の流入比率とリード獲得数比率

つまり、自然検索流入のうち記事以外からの流入がユーザー比率の8%で、この8%のなかでユーザー獲得全体の8割弱を占めています。

具体的に数字で表すと、記事からの獲得率は0.12%、記事以外が4.77%です。記事0.12%は記事以外と比較すると低く見えますが、記事ページからの獲得率0.12%というのは高めの数字です。実際のリード獲得では、記事ページからの獲得率は0.0数%ということろが多いので、全体の0.1%も記事から獲得できていれば良い方です。

記事からとそれ以外の流入によるリード獲得率

なぜかというと、ページ内容により、流入するユーザーの目的が異なるためです。記事の上位表示を獲得しにいく担当者が多いのですが、実際はユーザーが記事に入ってきてもすぐに離脱してしまいます。

ここで弊社の失敗例を紹介します。コーポレートサイトを作りたいユーザーが“コーポレートサイト制作”というキーワードで検索します。Googleの検索結果では弊社の「コーポレートサイトの作り方を解説!必要な情報や作成手順」という記事が1位に表示されます。

Googleでの「コーポレートサイト制作」の検索結果

この記事に入ってくるユーザーは、自分たちでサイトを作りたいユーザー、もしくは外注を検討しているが、どのような作り方があるのかを調べているユーザーです。このようなユーザーが最終的にコンバージョンセンターにつながるかというと、ほとんどつながりません。実際にこのキーワードでリスティングを回していると、月に数件、うまくいくと数十件獲得できますが、この記事ページでリード獲得した件数は先月0件です。

記事ページのユーザーの動きは2つあります。1つ目は記事ページに入って情報を取得し満足してそのまま帰るパターンです。2つ目は情報を取得しようとするが、自分のほしい情報がなかったため、検索結果に戻って別のページに入るパターンです。

基本的にユーザーは回遊させましょう、といわれますが、記事から入ったユーザーはほとんど回遊しません。そのため、記事を回遊させたり、記事からリードを獲得したりするのには限界があります

成果につなげていくためのSEO施策

BtoBマーケティングをSEO施策によってリード獲得の成果を出していくためには、次の施策を実施します。

  • オウンドメディアを作る
  • サイトの評価を上げる
  • ターゲットキーワードを決める
  • 獲得率の高いページを作る
  • ターゲットキーワードの関連記事を網羅する
  • 内部SEO対策を実施

オウンドメディアを作る

オウンドメディアをやりたいというユーザーがBtoBで増えてきていますが、認識が間違っているユーザーは多くいます。

オウンドメディア運用の目的は、次の3つです。

  1. 専門性と情報網羅性を高めて、SEOに有利なサイトに
  2. 内部リンクで特定ページの上位表示を促す内部SEO
  3. 潜在/顕在層へのコンタクトポイント創出
オウンドメディアの運用目的

一般的に3つ目の「潜在/顕在層へのコンタクトポイント創出」のみ注目されることが多くあります。ターゲットとなるユーザーが検索した際に、記事を上位表示させ、ユーザーからのアクションをとることです。ですが、記事ページはコンバージョンしづらいので、これだけではリード獲得できません。目的1と2を戦略的に運用していくことが重要です。

目的1「専門性と情報網羅性を高めてSEOに有利なサイトに」は、Googleに特定の専門的なサイトだと評価してもらうため、専門的な情報コンテンツをたくさん作ることです。検索ニーズを網羅する必要があるので、検索が一定数あるキーワードで関連性のあるコンテンツを作ります。

目的2「内部リンクで特定のページの上位表示を促すSEO」は、内部SEOのテクニックで、上位表示されるページをコントロールして意図的に獲得率の高いページを上げる手法です。サービスページへのアクセス数を増やすため、オウンドメディアを活用した内部リンクのSEO対策をします。

サイトの評価を上げる

SEO施策で成果につなげるためにはサイト評価を上げる必要があります。サイトの評価は被リンク、つまり外部からのリンクが非常に重要です。

被リンクを獲得でサイト評価を強化するポイント

外部からのリンクはページ内容と関係性があることはもちろん必要です。さらに自然なリンクを獲得するための営業を行ったり、リンクを獲得しやすいコンテンツを作ったりします。

キーワード選定

獲得したいリードとキーワードの相性、検索結果に上位表示できるか、検索ボリューム、リスティング広告のクリック評価といったさまざまな指標からキーワードを決めます。リスティング広告では効果のあるキーワードはオークション制で、価格が上がっていきます。そのため、獲得できるキーワードはCPCクリック単価が高くなります。リスティング広告を運用する場合、このキーワードでリード獲得できているかどうかで優先順位を決めます。

キーワード選定の基準は、「事業内容との親和性」「一定の検索ニーズ」「獲得が見込める検索語句」「競合と比較した際の上位表示の可能性」「検索結果と記事コンテンツの相性」です

検索結果だと記事が上がらないキーワードもあるため、確認する必要があります。

リード獲得率の高いページを作る

獲得率の高いページを作るためには、UI/UXの改善が必要です。ヒートマップを作り、ユーザーの動きも可視化し、獲得率を上げていくよう対策します。初期は流入が少ないので、リスティング広告でユーザーを入れて行動分析も行います。

ターゲットキーワードの関連記事を網羅する

例えば、デジタルマーケティングというキーワードで関連ワードを検索します。検索結果から関係性のあるワードはしっかり対策してコンテンツを作ります。

内部SEO対策を実施

コンテンツを作ったら内部SEO対策を実施します。上位表示を狙うページに対してリンクを集約させます。内部リンクの数と質の部分で、Googleに重要なページを教えるシグナルになります。

リンク集約のイメージ

このように内部リンクの集約やテキストなどさまざまなテクニックがあり、SEO対策をしっかりすることで獲得数の高いページを上位表示させます。検索結果上で、意識的に表示させるページの選定をします。

まとめ

これまでお話ししてきたように、SEO施策でリード獲得の成果を出していくためには戦力設計、キーワード選定、各種調査を行い、フェーズに合わせて最適な施策を実施します。実際に、キーワード選定をしてコンテンツを制作しながら、被リンクも獲得していきます。流入が見込めるようになったら、サイトの分析、UI/UXを改善し、Webサイトのメンテナンスとして記事のリライトや内部SEOをしっかり行うことでリード獲得につなげることができます。

フェーズに合わせたSEO施策

何をやるかやらないかは会社によりますが、基本的にBtoBマーケティングのリード獲得、SEOではこれらの施策が重要になるので、戦略的に実施してください。

今後開催予定のセミナー一覧はこちら>>https://n-works.link/seminar

セミナー取材(レポート記事掲載)のお願い

現在、セミナーレポートの掲載を強化しています。BtoBマーケター向けセミナーを開催している企業様で、BeMARKメディアへのレポート記事掲載が可能な企業様はお問い合わせフォームよりお知らせください。
【募集要項】
■対象:サービス紹介がメインのプログラムではなく、BtoBマーケター向けにナレッジやノウハウを紹介する内容の今後開催予定セミナー。
※サンプル:https://be-marke.jp/categories/seminar-report
■条件:記事制作用にセミナーの録画データが提供可能、またはセミナーを直接取材が可能
■費用:謝礼および記事掲載料はかかりません。※プロモーションを主目的としない記事制作を行うため
■注意事項:応募多数の場合やセミナープログラムによってはお断りする場合がございます。
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この記事を書いた人

BeMARKE編集部
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