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セールスイネーブルメントツール14選|比較・選定ポイントからツールの種類まで解説

セールスイネーブルメントツール14選|比較・選定ポイントからツールの種類まで解説

営業力の強化に向けて、セールスイネーブルメントの導入を検討する企業が増えています。効率や成果を最大化させるためには、ツールによる営業情報の可視化や自動化などが必要です。しかし「自社に合うものはどれか」「何を基準に選べば良いのか」など、疑問がある方も多いでしょう。

本記事ではおすすめのセールスイネーブルメントツール14選を、目的別に解説します。比較・選定ポイントも、あわせて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

目次

1.セールスイネーブルメントツールとは

セールスイネーブルメントは新人営業の早期戦力化や既存営業の営業力強化を目指す取り組みを指し、セールスイネーブルメントツールはこうした取り組みを効率化するツールです。セールスイネーブルメントツールは営業活動のしくみ化に役立ちますが、MAほど明確に定義があるわけではなく、人によって定義に差があります。

本記事では、「セールスイネーブルメントに貢献する機能があるツール」という観点から、セールスイネーブルメントツールを役割別に下記のように分類しています。

役割機能
社員の営業スキル向上スキルマップ、アセスメント、カリキュラム
営業活動におけるボトルネックの特定・改善予実管理、KPI管理、グラフ、レポート
商談情報の可視化文字起こし、議事録作成、SFA/CRM連携
ナレッジの共有・顧客の検討状況の可視化コンテンツ管理、コンテンツ共有、閲覧状況分析

セールスイネーブルメントツールを導入する場合には、自社の営業活動にどのような課題があるかを洗い出し、以上の4種類の中から適切なツールを選定する必要があるでしょう。

なおセールスイネーブルメントの基礎知識について振り返りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

関連記事:セールスイネーブルメントとは? 注目される背景や期待できる効果を解説

2.セールスイネーブルメントツール14選【比較一覧】

ここではおすすめのセールスイネーブルメントツールを、以下の4つの種類に分けて解説します。

  • 営業社員の育成におすすめの統合系サービス3選
  • 営業活動のボトルネック特定・改善におすすめのサービス2選
  • 商談の情報可視化におすすめのサービス4選
  • 顧客の検討状況の可視化におすすめのサービス5選

営業社員の育成におすすめの統合系サービス3選

営業社員の個別の営業スキルの向上など、営業社員を育成するための豊富な機能をそなえたセールスイネーブルメントツールです。

社員の能力を一覧化して長所・短所を把握し個別の指導に生かせるスキルマップや、個々が自ら学習を進められるようなカリキュラムの設定などが代表的な機能として挙げられます。

  • ナレッジワーク
  • Enablement App
  • TANREN

【1】ナレッジワーク

ナレッジワーク公式サイト

ナレッジワークは、株式会社ナレッジワークが提供するセールスイネーブルメントの総合的な機能をそなえたクラウドサービスです。

営業が情報を蓄積しいつでも閲覧・分析できる機能である「ナレッジ」、営業のための学習プログラムを簡単に作成でき社員の育成に利用できる「ラーニング」、顧客とのアポイントやアジェンダの管理を行える「ワーク」など、営業活動そのものの効率化や営業社員の育成に役立つ機能が豊富にそろっています。

Slackを始めとする有名チャットサービス、dropboxなどの有名ストレージサービス、その他Googleカレンダーなどのシステム連携にも対応しています。

プラン名 月額料金
基本プラン・オプションプラン お問い合わせ

【2】Enablement App

Enablement App公式サイト

Enablement Appは、株式会社アールスクエア・アンド・カンパニーが提供する効果的な人材育成施策を行うための機能をそなえたセールスイネーブルメントのサービスです。

営業に必要なスキルを体系的に整理した「スキルマップ」、営業の強み・課題を分析し今後の育成に生かす「アセスメント」、各営業に適した育成プログラムを割り当てられる「トレーニング/コンテンツ」、スキルマップスコアの変化や目標設定などを確認しながら1on1ができる「コーチング」、育成施策と営業成果の相関を可視化し投資対効果を確認できる「ダッシュボード」の5つの機能があります。

プラン名 月額料金
ライセンス料金 6,000円 ※1ユーザーあたり

【3】TANREN

TANREN公式サイト

TANRENは、TANREN株式会社が提供する学習プラットフォームサービスです。

商談や接客の様子を動画・音声・PDFなどでデータ化し、「メディアライブラリ」で共有することで社内での評価や学習教材として繰り返し利用できます。コンテンツ閲覧時に気づきがあったポイントは「Pin!ワード機能」で記録でき、またコンテンツをパッケージ化する「コース機能」と社員に視聴指示をする際の管理に使える「タスク機能」「視聴実績機能」の利用によって、社内の営業人材育成を効率的に行えます。

プラン名 月額料金
TANREN for Input 200円 ※1IDあたり
TANREN for Output 2,000円 ※1IDあたり

営業活動のボトルネック特定・改善におすすめのサービス2選

営業活動においてどこに課題があるのか、ボトルネックを特定し、改善策の立案・実行に役立てられるセールスイネーブルメントツールです。

進捗状況と目標までの達成度を可視化し、どこに課題があるのかを素早く把握できる予実管理やKPI管理などが代表的な機能として挙げられます。

  • SALESCORE
  • Magic Moment Playbook

【4】SALESCORE

SALESCORE公式サイト

SALESCOREは、SALESCORE株式会社が提供するセールスイネーブルメントツールです。

SALESCOREは脱Excelによる営業効率化を謳っており、操作性はExcelのようでありながら入力は一画面で完結できるUIや、SFAとの連携による予実の把握、各KPIのグラフをワンクリックで作成できるなどの機能があります。ダッシュボードからデータを編集してSFAに保存が可能であるため情報入力がスムーズに行え、SFAのデータにもとづいた営業活動の分析によってボトルネックの発見にも役立つでしょう。

SALESCOREの成功事例

とある企業では、複数のダッシュボードに金額やプロセスなどの情報がバラバラに管理されていたため、1箇所で確認できない状態でした。そのためダッシュボードを見る回数が減り、見る習慣が定着しないという課題がありました。

企業は解決策として「SALESCORE」を導入し、集計元の異なるKPIを一箇所に統合することで、社員の確認も一箇所で済むようにし習慣化を図りました。また、到達状況が良好であれば青字、問題があれば赤字で表示されるシステムにより、目標と現状の差分が明確になり、必達するという意識の向上にもつながったといいます。企業は、導入から5ヶ月連続で目標達成を実現したとのことです。

関連記事:強い営業組織を作る「セールスイネーブルメント」を実現する方法【SALESCORE】

プラン名 月額料金
- お問い合わせ

【5】Magic Moment Playbook

Magic Moment Playbook公式サイト

Magic Moment Playbookは、株式会社 Magic Momentが提供するセールスオペレーションクラウドです。

再現可能な営業活動の実現のため、商材やターゲットに応じて型を作成できる「プレイブックコア機能」や、顧客の行動から最も優先すべき案件を提示してもらえる「Next Best Action機能」、設定した条件に合わせて顧客とのコミュニケーションを自動化できる「シーケンス機能」、メンバーの売上貢献度からリードタイムや受注単価などのボトルネックをすぐに把握できる「レポート機能」などがあります。

プラン名 月額料金
- お問い合わせ

商談の情報可視化におすすめのサービス4選

電話やWeb会議システムを利用した見込み顧客とのやり取り・商談情報などを可視化し、営業活動を効率化するセールスイネーブルメントツールです。

商談内容の文字起こしやSFA/CRM連携機能によって、担当外の社員に対しても商談情報の共有が容易に行えます。AIを利用した分析などにより「成果につながった商談」のノウハウも蓄積でき、営業社員の育成にも活用できる機能があります。

  • MiiTel
  • amptalk
  • ACES Meet
  • ailead

【6】MiiTel

MiiTel公式サイト

MiiTelは、株式会社RevCommが提供する、IP電話業務の効率化・可視化を行えるサービスです。

通常のIP電話・録音機能のほかに、応対履歴の自動記録や自動文字起こし、文字起こし要約、録音データの一部を抜粋しコメントをつけて共有するなど「業務効率化」を図るための機能があります。また通話の速度やラリーを可視化・分析する定量評価機能や、あらかじめ登録したキーワードを自動検出しキラーワードやNGワードを可視化して学習する「学習・セルフコーチング」のための機能も充実しています。Salesforce、HubSpotといった外部システムとの連携も可能です。

プラン名 月額料金
- 5,980円※1IDあたり

【7】amptalk

amptalk公式サイト

amptalkは、amptalk株式会社が提供する、IP電話とWeb商談を可視化するサービスです。

amptalkを利用すると、通話や商談の内容が話者を分離しながら自動で書き起こされ、Salesforce・HubSpotなどのSFA/CRMに入力されます。そのため議事録用の手作業でのメモや日々の営業報告の入力が不要になり、業務効率化が進みます。また、AIがトークを自動解析し比較が可能であるため、成果を出している営業のトークが何かを可視化し、型化に役立てられます。

プラン名 月額料金
BASIC お問い合わせ
PRP お問い合わせ

【8】ACES Meet

ACES Meet公式サイト

ACES Meetは株式会社ACESが提供する、商談・IP電話の文字起こしと自動要約が行えるAIツールです。

ビデオ会議ツールとの連携によって会議の内容を自動で記録・文字起こしを行えるほか、AIに議事録作成を代行させたり、参加者の表情・話し方・会話内容などを分析して営業活動の型化に役立てられる機能があります。作成した議事録はパスワード付きリンクで外部に安全に共有が可能です。

プラン名 月額料金
- お問い合わせ

【9】ailead

ailead公式サイト

aileadは、株式会社バベル が提供する、AIが商談データを自動で収集・解析・可視化する商談解析クラウドサービスです。

Web商談やIP電話の内容をAIによって文字起こし・音声解析が可能です。文字起こし内容のキーワード検索なども利用すれば、簡単に振り返りが行えます。録画の一部を切り取ってURLを発行したり、録画の任意の箇所にコメントを入れられたりと、商談データの共有とフィードバックがスムーズに実行できます。商談の記録は連携済みのSFA/CRMに自動で入力されるため、手入力の工数も削減できるでしょう。

プラン名 月額料金
- お問い合わせ

顧客の検討状況の可視化におすすめのサービス5選

顧客の製品検討状況を可視化することで、顧客に合わせた最適なコミュニケーションが実現できるセールスイネーブルメントツールです。オンライン上のスペースに営業ノウハウを資料や動画コンテンツとして集約し、顧客に共有することで顧客の閲覧状況を確認できます。また、コンテンツを共有したシステム上で顧客とやり取りできるサービスもあります。

営業にとっては顧客の検討状況が把握でき、コンテンツも一元管理できるため効率化になります。顧客にとっては営業の資料が集約されたスペースによって過去受け取った資料を逐一探すなどの工数が削減され、システム上のコミュニケーションで疑問も即時解消できるメリットがあります。

  • Dealpods
  • openpage
  • GRiX
  • Sales Video Analytics
  • ノコセル

【10】DealPods

DealPods公式サイト

DealPodsは、株式会社マツリカが提供するAll in One バイヤー&セールスイネーブルメントプラットフォームです。リアルタイムのチャットや資料共有などを通じて、営業&購買プロセスを合理化し、案件進捗をスピードアップさせます。顧客ごとにパーソナライズされた専用URLでやり取りできる「Deal Room」、チームで営業資料を共有できる「Library」、顧客の動きを分析する「Buyer Engagement Report」、商談のタスク管理をサポートする「Mutual Action Plan」などの機能があります。

プラン名 月額料金
Starter 0円
Pro お問い合わせ
Custom お問い合わせ

【11】openpage

openpage公式サイト

openpageは株式会社openpageが提供する営業・CSのDXソリューションです。

カスタマーサクセスの思想をヒントに営業・CSの案内業務を自動化し、工数削減を実現します。顧客の状況や関係値をデジタル上で可視化し活用できる「顧客管理」や「顧客レポート」、営業やCSの現場で利用できる専用サイトを立ち上げて顧客とのコミュニケーションを円滑に進める「サイト構築」、AIによる音声入力や要約などが行える「AI活用」などの機能があります。

プラン名 月額料金
- お問い合わせ

【12】GRiX

GRiX公式サイト

GRiXは、AimyTech株式会社が提供するバイヤーイネーブルメントSaaSです。

顧客ごとに専用のURLを発行して営業コンテンツを共有でき、閲覧状態などから顧客の検討状況を把握できるため、適切な次の営業手段を選択できるでしょう。URLの共有以外にも、資料をトピックごとに整理できる「インデックス作成」、費用対効果がシミュレーションできる「ROI作成」、閲覧状況から温度感を可視化できる「商談スコアリング」などの機能があります。

プラン名 月額料金
- お問い合わせ

【13】Sales Video Analytics

Sales Video Analytics公式サイト

Sales Video Analyticsは、株式会社NewsTVが提供する営業DX化支援サービスです。年間1本の無料動画を制作依頼でき、自社製品・サービスの特徴、営業資料、導入企業の成功事例などを集約した動画で顧客にアプローチが可能です。さらにランディングページの作成や閲覧ログ取得、具体的にはランディングページ内にある動画や資料の閲覧状況を取得できるため、顧客の行動に基づいた仮説立て・戦略立案が可能になります。

プラン名 月額料金
- お問い合わせ

【14】ノコセル

ノコセル公式サイト

ノコセルは、株式会社アイドマ・ホールディングスが提供するクラウド顧客獲得ツールです。

資料をアップロードし顧客に共有することで、顧客とのやり取りを効率化しつつ商談化につなげる機能があります。具体的には顧客の営業資料の閲覧状況が分かる「資料トラッキング」や行動履歴に基づいた「資料分析」、そのほかにも資料閲覧中の顧客にスムーズに接客が可能な「チャット接客」、開封を促すメッセージ送信やアポイント獲得を自動化する「営業自動化」などがあります。

プラン名 月額料金
ライトプラン 30,000円
スタンダードプラン 100,000円
プレミアムプラン 150,000円

3.セールスイネーブルメントツールの比較・選定ポイント

ここではセールスイネーブルメントツールの比較・選定ポイントを、3つに分けて解説します。

  • 導入目的と合っているか
  • 対応する業務や部門はどこまでか
  • 現場の社員が使いやすいものか

それぞれ詳しく見ていきましょう。

導入目的と合っているか

導入目的の明確化と合致具合の確認は、セールスイネーブルメントツールの選定でも重要です。主な目的は新人の早期戦力化(オンボーディング)と、既存担当者の営業力強化が挙げられます。さらに細分化すると、次のような点が課題となる企業が多いでしょう。

  • 営業プロセスや商談内容の可視化
  • ハイパフォーマーのノウハウ共有・標準化
  • 営業業務の効率化 など

目的があいまいなままツールありきでツールを導入しても、なかなか成果につながりません。投じた費用が無駄になり、社員のモチベーション低下も引き起こします。

セールスイネーブルメントの導入が向いている企業や、失敗しやすいパターンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

関連記事:セールス・イネーブルメントの第一人者に聞く、BtoB企業が営業組織を強くするためにできること

対応する業務や部門はどこまでか

セールスイネーブルメントツールを比較する際は、対応する業務や部門についても良く確認しましょう。製品によっては営業特化型のほか、マーケティングや人事で活用できるものもあります。

例えば企業全体で営業力を強化したい場合は、包括型のセールスイネーブルメントツールがおすすめです。対して営業担当者の作業負担を軽減したい場合は、営業特化型が良いでしょう。

部門間で異なるツールを使う場合でも、互いに連携できると情報共有がスムーズになり、企業全体での営業力強化が期待できます。のちのち不満やトラブルが出ないように、上長や他部門の責任者と丁寧に協議を重ねながら導入ツールを選んでいきましょう。

現場の社員が使いやすいものか

現場の社員が使いやすいか否かは、ツールの定着はもちろん、セールスイネーブルメントという考え方の浸透にも大きく影響します。

どれほど良いツールでも、実際に使う社員が「面倒」だと感じてしまえば、徐々に使われなくなってしまうものです。セールスイネーブルメントの実行にはツールの導入が必須のため、定着しなければ組織改革も頓挫してしまいます。

このような事態を避けるためには、あらかじめツールの必要性を説明した上で、無料トライアルなどで実際に触ってもらうことが大切です。「使えそう」と実感したものを導入できれば積極的に活用し、社員自身が有効性を広めてくれるでしょう。

セールスイネーブルメント導入の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

関連記事:強い営業組織を作る「セールスイネーブルメント」を実現する方法【SALESCORE】

4.まとめ

セールスイネーブルメントツールの活用は、新人の早期戦力化や既存担当者の営業力強化で重要です。ただし営業活動の可視化や効率化など、製品によって得意とする機能が異なるため、慎重な比較や検討が必要になります。

特に部門によって使用ツールが異なる場合は、対応範囲や連携性を確認し、逆に業務を煩雑にしないかを確認することが大切です。無料トライアルを受けられる製品もあるため、現場の社員に直接操作してもらい、使用感を確かめるのも良いでしょう。

セールスイネーブルメントを実現したい企業は、今回解説した内容を参考にツールを比較してみてください。


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この記事を書いた人

アイランド暁子
アイランド暁子 | ライター

広報コンサルティング、上場企業の広報宣伝部、人事部のマネージャーを経て独立。海外移住をきっかけにライターを始める。10年以上企業のオフィシャルサイト、マーケティング・人事系のサイトや記事制作に多数関わる。BeMARKEの理念に惹かれ編集部に在籍中。

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